【企業】 内田洋行様 | 未来の教室=“Future Class Room”で活躍するシーリング・アレイ・マイクロホン | Microflex Advance MXA910、P300

【企業】 内田洋行様 | 未来の教室=“Future Class Room”で活躍するシーリング・アレイ・マイクロホン | Microflex Advance MXA910、P300

はじめに

“都度マイクを設置する必要がなくなっただけでなく、エコーキャンセラーなどの設定を変える必要もなくなり、ストレスがかなり減りました”

 

株式会社内田洋行  経営・人事・総務統括グループ総務法務部ショールーム課 課長  東田剛明氏

お客様プロフィール

◎ 導入事業者

株式会社内田洋行
事業内容:公共関連事業/オフィス関連事業/情報関連事業
業種:卸売業
https://www.uchida.co.jp/

 

◎ 納入事業者
株式会社JVCケンウッド・公共産業システム
https://jkpi.jvckenwood.com/

 

◎ 導入場所
導入場所:内田洋行東京本社Future Class Room/役員会議室/イベントスペース
竣工日:2021年1月15日

 

 

課題

内田洋行様が2011年、東京本社の7階に開設した『Future Class Room』は、同社が考える“未来の学習空間”を具現化した教育関係者向けのショールームです。新学習指導要領への対応など、ICT環境を実践するために同社が独自に開発した、さまざまなシステムが体感できます。学校の教室とほぼ同じサイズの空間に、高解像度のプロジェクターや3面マルチスクリーンといった最新鋭のICT機器を導入することで、子どもたちが主体的かつ能動的に学べる環境を提示しています。しかしこれまでは収音用のマイクは設置されておらず、ハイフレックス型授業(同じ授業を対面とオンライン授業の双方で受講できる方法)に対応させるためには、その都度バウンダリーマイクを設置する必要がありました。また、教室内の生徒数が一定ではないハイフレックス型授業において、どんな状態でも最適な音環境にすることも課題でした。

ソリューション

内田洋行様から相談を受けたシステムインテグレーターの株式会社JVCケンウッド・公共産業システム様は、シーリング・アレイ・マイクロホンMXA910の設置を提案。昨年秋に検証が実施され、収音性能や感度に問題がないことが分かったため、『Future Class Room』への導入が決まりました。内装に合わせて選定されたホワイトカラーのMXA910は、内田洋行様の空間構築ユニット「 SmartInfill(スマートインフィル)」に金具を使って設置。オーディオプロセッサーのIntelliMix P300-IMXも導入され、ハンドマイクを併用する際も違和感のない音質に調整されています。また、『Future Class Room』での収音性能の高さが評価され、今年リニューアルした役員会議室にもMXA910が2台導入されました。さらに2階のイベントスペースでは、テーブル・アレイ・マイクロホンのMXA310も活用されています。

効果

MXA910について、株式会社内田洋行 経営・人事・総務統括グループ総務法務部ショールーム課課長の東田剛明氏は、その収音性能を高く評価。マイクを設置する手間が省け、ストレスが大幅に軽減したと語ります。

「検証時に室内を移動して性能を確認したのですが、本当によく拾うマイクだなという印象でした。この場所だとよく聴こえないというのがない。『Future Class Room』では、ハイフレックス型授業を最適な環境で行えることが大きな特徴であるため、MXA910を導入することに決めました。導入後、自治体や教育委員会のお客様が体験しに来場された際はもちろんのこと、当社の大阪支店にもある『Future Class Room』と繋いでミーティングするときなど、かなりの頻度で使用していますが、もの凄くラクになりました。都度マイクを設置する必要がなくなっただけでなく、マイクを動かした際にエコーキャンセラーなどの設定を変える必要がなくなり、ストレスがかなり減りましたね。電源を入れるだけで、音がしっかり届く。それとこれはMXA910を導入した理由の一つでもあるのですが、収音エリアを絞れるところも気に入っています。MXA910の性能が優れていることが分かったので、今年度にリニューアルした役員会議室にも導入しました。
コロナ禍でWeb会議が前提なっているなか、ストレス無く会議ができるシステムに強化するために、この環境を作っておいて良かったなと思いましたね。緊急事態宣言中、オンラインの採用面接でも使用したのですが、問題なく面接を終えることができました。それとイベントスペースに導入したMXA310も素晴らしい製品だなという印象です。特別な調整は不要で、LANケーブルを引っ張ってきて、MXA310を好きな位置に置くだけで準備は完了ですから、シーリングマイクとは違うラクさがありますね。これくらいの人数だったら、大体この場所かなという感じでアバウトに設置しても、後で聴いてみるとしっかり収音されている。先日も大学のシンポジウムをリハーサル無しでやったんですが、MXA310が無ければきっと大変だったと思います」(東田氏)

スペシャルインタビュー

内田洋行様が考える未来の教室=“Future Class Room”で活躍するシーリング・アレイ・マイクロホン、MXA910。その使用感について、株式会社内田洋行 経営・人事・総務統括グループ総務法務部ショールーム課課長の東田剛明氏、同社ICTプロダクト企画部 の太田裕士氏、システムインテグレーターの株式会社JVCケンウッド・公共産業システム 法人第2営業部営業2グループ課長の三宅真徳氏にお話を伺いました。

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● “未来の学習空間”=Future Class Room

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——— はじめに内田洋行様について簡単にご紹介いただけますか。

東田 弊社は2021年に創業111周年を迎えました。1910年、旧満州で満鉄(南満州鉄道)への測量・製図機器提供を祖業とし、1925年、先端的な計算器として技術者必携のヘンミ式計算尺で教育事業に本格参入し、1946年科学教材、1961年には、純国産初のオフィスコンピューター『ユーザック』の開発などIT化を推進してきました。PC黎明期でインターネットなどなかった1980年代、「教育」「情報」双方のノウハウを生かし、業界に先駆けて学校の教育情報化を推進し、それが今日の事業の土台となっています。一方で民間市場向けにオフィス空間や内装の設計・デザイン、ICTネットワークなど環境構築のエンジニアリングビジネスも展開しています。
 


——— 同業他社と比較した内田洋行様の特色、強みをおしえていただけますか。

東田 環境構築とICT構築の双方のノウハウを結集し、ワークスペースの設計から働く人をサポートするICTプラットフォーム構築まで支援しています。ICTに精通しながら、環境自体の設計も行えることが私どもの特徴だと思っています。ITのエンジニアも1000人以上在籍することから、デザイン側からの課題に対してIT側からも提案ができる、逆にIT側の課題に対してデザイン側からもアプローチができることは、弊社の大きな強みと思っています。これからの需要は、ICTをベースに働く場、学ぶ場をトータルに構築し、お客様がその場でデータをさまざまに活用して、働き方変革、学び方変革を進める、そのような新たなスタイルを確立するための環境づくり、サービス提供が主流になるでしょう。内田洋行グループではその対応を進めています。

 

——— 新型コロナウイルスの問題は、ビジネスに大きな影響を及ぼしたのではないでしょうか。

東田 「GIGAスクール構想」が推進され、2021年4月より全国の自治体の小中学校でICTを活用した授業がスタートしています。こうした教育現場の急速なICT化によって、授業を円滑に行うために、内田洋行グループでは、ICT支援員のマネージドサービスなど、整備後のその後のコンテンツ、運用サポートの重要性を鑑みて活動していきます。
学校の教員や職員は全員がそういった機器に強いわけではありませんので、サポートするICT支援員を派遣したり、その周辺領域には引き続き力を入れて取り組んでいかなければいけないと考えています。

JVCケンウッド・公共産業システム(以下「JKPI」とする)三宅 コロナ以前はオンライン授業のシステムと言えば、クローズドなネットワークの会議システムがほとんどだったのですが、それがZoomやMS Teamsが主流になり大きく変化しました。私の子供もタブレットでオンライン授業を受けているのですが、一気にこんな時代になってしまって驚いているくらいです(笑)。

東田 コロナ禍をきっかけとして、主要拠点のレイアウト変更やサテライトオフィスの設置が進んでいますが、オフィス内にアクリル板を設置したり、密を避けるためのレイアウト変更など、これまでとは違う環境構築の依頼が増えました。さらに、ICTの面からみると、当社ではマイクロソフト365のサブスクリプションサービスの展開を中心に在宅勤務が進んだことによる契約形態のアップグレードやモバイルワークの拡大、セキュリティ対策も含むグローバルでのIT資産管理などが急拡大しています。


JKPI 三宅 学校や民間企業から“『Future Class Room』のような部屋を造りたい”という要望をいただくことは多く、同じような部屋を造るお手伝いを、年に何件もさせてお請けさせいただいています。先生にとっては、プレゼン資料を大画面に表示できるというだけでも大きなインパクトがあるようで、またシンプルな使い勝手も評価していただいています。

 

——— 学校の教室とまったく同じ大きさなのでしょうか。

東田 日本の教室は8,000mm×8,000mmで大きさが規定されているのですが、それに廊下のスペースを足したくらいの広さになっています。ですので、40人くらいの授業に対応できると思いますが、可動式の什器もありますので、実際は20人くらいの授業がちょうどいい感じでしょうか。

 

——— “未来の学習空間”として、特にこだわった部分をおしえてください。

東田 まずは部屋の正面が決まっていないことでしょうか。普通教室の場合は、正面に黒板があって、生徒は皆そちらを向いて授業を受けますが、『Future Class Room』では什器を可動式にすることで、授業内容に合わせて自由な方向で使えるようになっています。正面が決まっていないので、グループワークで発表するときなども、プロジェクターを様々な形で利用することができる。また、室内を弊社のSmartInfill(スマートインフィル)という空間構築ユニットで設計すると、例えばプロジェクターやスピーカーなどのAV機器を自由に設置できるようになっているのも特徴です。SmartInfillは、天井や壁面自体に施工が不要で、任意のAV機器を自由自在にフレームに取り付けることができます。

太田 それと弊社が開発したAV制御システム、codemari(コデマリ)によって、室内のAV機器や照明、空調を簡単に操作できるようになっているのもポイントです。codemariは会議室に装備されている複数の機器をネットワーク経由で簡単に操作・制御するWEBアプリケーションです。プロジェクターの制御やスクリーンの昇降、マイクのオン/オフ、照明や空調のコントロールといった操作を、スマートフォンやタブレットを使って遠隔から行うことができます。
 


東田 室内の機器が増えていくと、どうしても使い勝手が悪くなるのですが、簡単に操作できるようにすることも、codemariのコンセプトです。操作用のタブレット画面に表示される簡単なメニューボタンを押すだけで、メーカーや機種にかかわらず誰でも簡単に会議室のAV機器類を操作できます。スケジュールに合わせて自動でコントロールするような設定にも対応しています。また、機器の状態を遠隔からも確認できるなど、利用者だけでなく、管理者にとってもやさしいシステムになっています。
 

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● ハイフレックス型授業に最適化するため、MXA910を導入

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——— 『Future Class Room』には先頃、MXA910を導入していただきました。そのきっかけをおしえていただけますか。
 

東田 コロナ禍でハイフレックス型授業が一気に広まりましたが、バウンダリーマイクを授業の度に設置するのはかなりの手間なんです。また、せっかくアクティブラーニングの環境が整っているのにも関わらず、先生や生徒が制限なく動ける範囲がマイクによって固定されてしまう。それと相手がどこにいるか分からないハイフレックス型授業では、従来のマイクの音質にも課題を感じていました。教室内に収容する生徒の数は、コロナが落ち着いてきたら20人とか、感染者リスクが増加した場合は4〜5人に制限するなど、今後も頻繁に変わっていくと思うのですが、どんな状態でも最適な音環境にしたかったんです。それでシーリングマイクに興味を持ち、JVCケンウッドさんにご相談したところ、MXA910をご紹介いただいたというわけです。
 

——— これまで『Future Class Room』では、どのように収音していたのですか。

東田 収音専用のマイクは設置しておらず、必要な場合はハンドマイクやピンマイクで対応していました。あるいは一般的なWeb会議で使うような卓上マイクを使用していました。


JKPI三宅 実際の検証はShureさんにご協力いただいて、2階のイベントスペースで行いました。主に感度の確認だったのですが、まったく問題なかったので、これなら大丈夫だなと。私自身、MXA910を体験するのはそのときが初めてだったのですが、その収音性能の高さにはとても驚きましたね。

 

——— 設置位置に関してはどのように決められましたか。


東田 プロジェクターの邪魔にならない場所に取り付けました。センター寄りで、先生の声も生徒の声も上手く拾うことができる場所を狙いました。先ほどご紹介した弊社のSmartInfillに取り付けてあります。


JKPI 三宅 オーディオプロセッサーのP300も導入し、MXA910からのケーブルはSmartInfillを這わせて、Danteで接続しています。


東田 MXA910を導入した後もハンドマイクは併用することになると思ったので、両者の音質差が気になっていたのですが、そのあたりはJVCケンウッドさんとShureさんにご協力いただいて、違和感のないように調整していただきました。

JKPI 三宅 ハンドマイクは専用のプロセッサー、MXA910はP300でプロセッシングすることで、両者に音質的な差が出ないように調整しました。

 

——— 導入後の使用感はいかがですか。

東田 お客様がハイフレックス型授業を体験しに来られたときはもちろん、大阪の『Future Class Room』と繋いでミーティングするときなど、かなりの頻度で使用していますが、もの凄くラクになりました。都度マイクを設置する必要がなくなっただけでなく、マイクを動かした際にエコーキャンセラーなどの設定を変える必要がなくなり、ストレスがかなり減りましたね。電源を入れるだけで、音がしっかり届く。それとこれはMXA910を導入した理由の一つでもあるのですが、収音エリアを絞れるところも気に入っています。ここでは先生の声を中心に捉えるモードと、生徒の声を中心に捉えるモードを切り替えられるようにしてあるんです。

 『Future Class Room』でMXA910の性能が優れていることが分かったので、今年リニューアルした役員会議室にも導入しました。横長の部屋なので、Shureさんにシミュレーションしていただき、黒色のモデルを天井埋め込み型で2台設置しています。

 また2階のイベントスペースには、テーブル・アレイ・マイクロホンのMXA310を導入しました。部屋がかなり広く、使われ方も決まってないので、シーリング型よりもテーブルアレイ型の方がいいだろうという判断です。

 

——— 『Future Class Room』で体験された方、役員会議室を利用された皆様は新しいマイクについて何かおっしゃっていましたか。

東田 音質について、皆さん凄く良い印象を持たれているようです。また、イベントスペースに導入したMXA310も素晴らしい製品だなという印象です。特別な調整は不要で、LANケーブルを引っ張ってきて、MXA310を好きな位置に置くだけで準備は完了ですから、シーリングマイクとは違うラクさがありますね。これくらいの人数だったら、大体この場所かなという感じでアバウトに設置しても、後で聴いてみるとしっかり収音されている。

JKPI 三宅 MXA310は、本当に収音性能が高いですよね。先日も某大学から、MXA310だけで50人の授業ができたという連絡がありました。離れた場所でも少し声を張れば、しっかり認識されますから。MXA910もMXA310も、ハイフレックス型授業に最適なマイクで、Danteでシステムを組めるというのも魅力的ですから、これから大学や高校に普及していくのではないかと思っています。

東田 弊社はお客様にシステム全体でご提案しますので、codemariでコントロールできるというのもポイントです。

 

——— 最後に、Shureというブランドに対するイメージと、今後に期待することがあればお聞かせください。

東田 Shureさんの製品と言われれば、“音が良いんだろうな”というイメージがあります。今回も検証時からいろいろご協力してくださって、とても助かりました。

JKPI 三宅 私はSM58が好きなのですが、今回をじっくり聴いて、やっぱり凄いなと思いましたね。それと対応が早いので、システムインテグレーターとしては安心して納入することができます。

東田 これからも凄い製品をいち早く世に出してほしいですね。現在の製品も素晴らしい音だと思いますが、いつの日かオンラインでも実空間と同じような音を実現してくれることを期待しています。
 

株式会社内田洋行 経営・人事・総務統括グループ総務法務部ショールーム課課長 東田剛明氏(左)、ICTプロダクト企画部 太田裕士氏(中央)、株式会社JVCケンウッド・公共産業システム 法人第2営業部第2営業グループ 三宅真徳氏(右)

※撮影時のみマスクを外しています。

 

Shure(シュア)の事例・製品に関するお問い合わせはこちら

 

導入製品

製品名 説明
MXA910 MXA910 1 ステアラブルカバレッジ技術を採用し、最大8つの独立したローブ(個別収音パターン)を設定することで、発言者の声を天井から極めて正確に収音します。
IntelliMix IntelliMix P300 1 シンプルながらも強力なDSPが、高品質、手軽、費用対効果に優れたビデオ会議アプリケーション向け音声を提供。