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ポッドキャスト用マイクロホンの選び方

ポッドキャスト用のマイクロホンは、視聴者とつながり、プロフェッショナルなサウンドを達成するための重要なツールです。高額な予算は必要ありません。
September 18, 2025 |
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ポッドキャストは、その音質によってリスナーの評価が左右されてしまうことがあります。番組形式やトピックに関わらず、リスナーはあなたのサウンドを、ラジオや他のメジャーなポッドキャストの音質と比較します。皮肉なことに、音質が良ければ音の聞こえ方など誰も気にかけません。それがゴールなのです。音質が気になるということは、少なからずそこに問題があるということです。

幸いにも、プロレベルの音質でポッドキャストを配信できる機器やテクニックは簡単に手に入るので、高額な予算は必要ありません。本当に必要なのは、良い部屋と良いマイクロホンです。

録音スペースの最適化

プロフェッショナルなレコーディングスタジオを使えず、自宅や仕事場で録音するほとんどのDIYポッドキャスターにとって、多くの場合、録音場所となる部屋自体に音響上の障害があります。このような環境では、通気口、電化製品、PCのファンなどの目的外のノイズも一緒に録音されてしまうのです。日常生活ではこういった音は気にならないものですが、録音したものを聞くと耳についてしまいます。また、たとえ静かな部屋でも、壁、天井、床(絨毯がない場合など)からの反響で、声がこもって聞こえることがあります。まるで箱の中で喋っているように聞こえるのですが、理論上は確かに箱の中で喋っていることになるため、そのように聞こえるのです。このような場合、マイクを自分に近づける(530cm以内)と、ノイズや反響音に対して自分の声が大きくなり、音質改善につながります。

ダイナミックとコンデンサー、どちらのマイクロホンを選ぶか

ダイナミックとコンデンサーのどちらのマイクロホンがいいのかという議論をよく耳にします。これは最終的には、出力レベルと周波数特性という2つの技術的特性の違いに集約されます。コンデンサーマイクロホンは通常、感度がより高く、出力レベルも高くなります。出力レベルが高いと信号をミキサーで増幅させる必要性が低くなるのがメリットです。増幅にはヒス音が伴いますし、低価格のミキサーほどこれが問題になります。

コンデンサーマイクはダイナミックよりも高域に対するレスポンスに優れています。つまり、くっきりとディテールに富んだサウンドを生み出してくれるのです。ただし自宅で収録するポッドキャスターにとっては、これが逆に問題となる場合があります。コンデンサーマイクの場合、通気口のわずかなノイズやリップノイズまで敏感に拾い上げてしまうからです。ダイナミックマイクは、まるでカメラのソフトフォーカスフィルターが肌の欠点を隠してくれるように、このようなノイズを自然に隠してくれます。

ポッドキャスト向きマイクの4つの特性

あなたとリスナーをつなぐ最初の接点、それがマイクロホンです。では、ポッドキャストに向いているマイクの条件とは何でしょうか?最も重要な4点をあげてみましょう:

  • ノイズを低減するカーディオイドの指向特性。カーディオイドマイクは側面や背面からの音に対して感度が低いため、室内のノイズや反響音が収音されにくくなります。スーパーカーディオイドやショットガンマイクのように、収音パターンが狭いほどノイズの遮音性は高まりますが、喋る人の口元が収音エリアに確実にフォーカスされていないと、音量レベルに大きな差が生まれてしまいます。これは多くの人にとってそう簡単なことではありません。
  • パ行のポップノイズを防ぐポップフィルター。マイクの内側に音響上影響の無いフォームが付いているか、そうでない場合は外付けのポップガードを自分とマイクの間に設置します。「プロフェッショナル」と発した時にポップノイズが出てしまう時ほど、アマチュアのように聞こえてしまうものはありません。
  • 低域の振動を遮断できるショックマウント。マイクがオンの時にテーブルに触ったりキーボードを打ったりすると、低域の振動が伝わります。マイクの中には、エレメントの周りにゴム製のアイソレーションマウントを内蔵しているものもあれば、伸縮性のあるストラップやバンドでマイクを支える外付けのサスペンションマウントを採用しているものもあります。マイクのハイパスフィルタースイッチあるいはミキサーを使うと、不要な衝撃音をさらにシャットアウトすることができ、室内の低域ノイズも軽減させることができます。
  • マイクのサウンドをカスタマイズする機能。正直に言うと、ラジオ向きの良い声を持つ人もいれば、そうでない人もいます。専用のスタジオで録音する人もいれば、自宅のダイニングテーブルで録音する人もいます。もし自分の声や録音場所に満足できない場合、マイクで音質を調節して、室内ノイズを低減できることは大きな利点になります。一部のマイクロホンには低域を減らすスイッチが付いていますが、これは部屋の振動音やマイクに接近したときのこもった低音を抑えたり、中高音域をブーストして声の明瞭度を高めるのにも効果的です。デジタルマイクロホンならさらに優れた機能を搭載しており、内蔵イコライザーでマイクの周波数特性を調整して室内のノイズを抑えたり、リスナーが何度も音量調整しなくて済むようにコンプレッサーで音量の変化を整えたりすることができます。
Shureポッドキャスト向け4製品

ポッドキャストに最適なShure製品をを4つご紹介しましょう。マイクロホン3製品と、もう1つは、既にお気に入りのマイクをお持ちの場合にその可能性を広げることができるオーディオインターフェースです。

 

MV7+ USB/XLR ハイブリッドポッドキャストマイクロホン

こんな方におすすめ: ブロードキャスト品質のサウンドと柔軟性を求める方。

MV7+は、ポッドキャスター、ストリーマー、クリエイターに最適なハイブリッドUSB/XLR設計を採用しています。カーディオイドダイナミックカプセルは、どのような場所でも音声を集中して拾い上げるボイスアイソレーションテクノロジーを備えています。ゲインをリアルタイムで調整するオートレベルモードや、デジタルポップフィルター、ノイズリダクション、リバーブなどのオンボードDSP機能により、録音がこれまでにないほど簡単になります。カラフルなLEDタッチパネルによりミュートやメーターを視覚的にコントロールできるようになり、USB-CおよびXLR出力はあらゆるセットアップに柔軟に対応します。MOTIV Mixアプリのサポートと洗練されたデザインを備えたMV7+は、ブロードキャスト品質のサウンドを実現します。内蔵インターフェースを備えたMV7iと、より手頃な価格でXLRのみの出力を備えたMV7Xもご確認ください。 MV7i_with_SM7b_laptop_MOTIVMix_Mid_angled_Product_1.webp

SM7B ダイナミック・ボーカルマイクロホン

こんな方におすすめ: 著名なポッドキャスターたちと同じマイクをお求めの方、またそれに見合う機材をお持ちの方。

SM7Bは、世界中のラジオ局で長年にわたり使用されている伝説的なマイクです。大型ダイナミックマイクの特長である、あたたかみのあるメロウなサウンドを再現し、約58cm以内と口から非常に近い位置で使用するようデザインされています。ただしこれは出力レベルが低いということでもあり、マイクの性能を最大限に引き出すには、優れたオーディオインターフェースまたはマイクプリアンプが必要です。ポップノイズを抑えるフォームウィンドスクリーンが2つ付属しています。また、マイクの背面にあるローカットとハイブーストの切り替えスイッチで、声質や部屋に合わせてサウンドを調整できます。オーディオのアイコンであり、放送標準のボーカル特性を求める人々にとって、今でも最も人気があります。
 

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SM7dB プリアンプ搭載ダイナミック・マイクロホン

こんな方におすすめ: 伝説的な音質を追加機材なしで求めるポッドキャスター。

SM7dBは、内蔵の低ノイズプリアンプによりゲイン管理が容易になり、SM7Bの持つアイコニックなトーンを実現します。追加の機材は必要ありません。切り替え可能な+18 dBまたは+28 dBブーストにより、ほとんどのオーディオインターフェースに直接接続できます。また、プリアンプを完全にバイパスしてオリジナルのSM7Bと同じように使用することもできます。カーディオイドの指向特性、広いフラットレスポンス、低域ロールオフ、プレゼンスブースト、内蔵ショックマウントおよびポップフィルターなど、プロが好む機能をすべて備えています。音響処理が施されたスタジオでも、DIYスペースでも、SM7dBはより簡単に、プロフェッショナルなボーカルの明瞭性を実現します。
 

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MVX2U デジタルオーディオインターフェース

こんな方におすすめ: USB接続とDSPで、お持ちのXLRマイクをアップグレードしたい方。

MVX2Uは、あらゆるXLRマイクをUSB-C経由でコンピュータやモバイルデバイスに接続できる、スタイリッシュで強力なインターフェースです。MVX2Uには、スピーチ、歌、楽器用のプリセットを備えたオンボードデジタル信号処理(DSP)を搭載さいており、リアルタイムのゲイン調整(SM7Bを動かすのに十分なパワーを持っています!)やコンデンサーマイク用のファンタム電源もサポートしています。また、MOTIV Mixアプリとシームレスに統合されており、音の調整やモニタリングが可能です。コンパクトでプラグアンドプレイのMVX2Uは、かさばったり複雑さを加えることなくマイクをアップグレードしたい、ポッドキャスターやストリーマーにとって理想的な選択肢です。

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Shure Japan
Shureは、およそ1世紀に渡って人々が驚くほど冴えわたるサウンドを世界に送り出してきました。 1925年に設立され、その品質、性能、耐久性で知られているオーディオ機器の世界的リーディングカンパニーです。マイクロホン、ワイヤレスマイクシステム、インイヤーモニター、イヤホン/ヘッドホン、会議システムなど様々な音響機器をユーザーに届けています。 クリティカルリスニングで、ここ一番の大事なステージで、スタジオで、そしてミーティングルームでも、いつでもShureがあなたを強力にバックアップします。 シュア・ジャパン株式会社(Shure Japan Limited) は、Shure Incorporatedの日本法人です。

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