55SとSuper 55:「キング」は永遠に

エルヴィスは、どこへ行くにも、好んでこの55Sを使っていました。それが、いつしか「エルヴィスマイク」という愛称で親しまれるようになった理由です。もちろん、このマイクを愛したのは彼一人ではありません。メタリカやビリー・アイリッシュ、フランク・シナトラ、チャック・ベリーといった名だたるアーティストをはじめ、歴代のモデルは何百万人ものファンに選ばれ、今もなお熱い支持を受け続けています。
サイズがもたらした変革
55Sが登場する以前、マイクロホンといえば非常に大きく、時には人の頭ほどもあるサイズが当たり前でした。レコーディングスタジオで使うにはそれで十分でしたが、1950年代にテレビが普及すると、画面越しに顔を隠さない、より小型のマイクロホンが必要になったのです。そこで登場したのが、Shure 55Sでした。これは、革新的な「Unidyne I Model 55」を小型化した(S)バージョンとして誕生したモデルです。
ShureのUnidyne IIカートリッジを搭載した55Sは、シンガーの顔を隠すことなく、かつ自然なサウンドを届けるボーカルマイクとして、まさに理想的な一台となりました。ロックンロールがテレビ放送を席巻するようになると、チャック・ベリーやリトル・リチャード、ビル・ヘイリーといった新星たちがこぞってこのマイクを手にしました。さらに、ハンク・ウィリアムズのようなカントリーミュージック界のレジェンドたちも、55Sを愛用していました。

スタイルアイコン
マイクは音だけでなく、見た目も重要です。クラシックなアールデコ調のデザインは、摩天楼やジュークボックス、そしてテールフィンの付いた車が走る1950年代の世界観に完璧にマッチしました。実際、Shure 55Sは1937年型 「オールズモビル クーペ シックス」という車のフロントグリルから着想を得てデザインされており、両者を並べてみれば、その類似性は一目瞭然でしょう。
このマイクはミュージシャンのみならず、ビジュアルアーティストたちからも熱烈な支持を集めました。 最新のジェームズ・ボンドの主題歌をはじめ、数多くのミュージックビデオで頻繁に登場するのは、置くだけで映像が完成してしまう存在感を放つからです。
また、このマイクは世界中でとても人気のあるタトゥーのモチーフの一つでもあります。Googleで「microphone tattoo」と検索してみてください。何百万もの人がこのマイクで歌ってきただけでなく、その姿を一生身につける覚悟で肌に刻んでいることが分かるはずです。それほどまでに、このマイクは人々に愛されているのです。
用途に合わせて選べるモデル
このマイクは長年にわたり様々なモデルが登場してきましたが、今でも「キング」の雰囲気を存分に味わえる素晴らしい選択肢が用意されています。

それが、Beta 58Aと同等の技術を採用したSuper 55です。 エルヴィスが愛したスマートな外観はそのままに、内部にはスーパーカーディオイド特性と、非常にスタイリッシュなエレクトリックブルーのフォームを採用しました。 このマイクは、周囲の不要な音を拾いたくない騒がしいライブコンサート会場において、まさに理想的な一台といえます。 そのうえ、見た目も信じられないほどクールです。
生きる伝説
これらのマイクロホンで歌うたびにあなたは、「生きる伝説」をその手に携えてパフォーマンスをしているのです。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)が、歴史的な「I Have A Dream」のスピーチを行ったとき、その壇上には55Sがありました。1954年にエルヴィス・プレスリーがサン・スタジオで「That's All Right」を録音し、音楽の歴史を塗り替えた瞬間に彼が使用したのも、このマイクです。そして、映画『グッドモーニング, ベトナム』でロビン・ウィリアムズが「Good Morning」と叫び続け、映画の歴史を変えたあの場面にも、このマイクの姿がありました。
本来、歴史の一片を所有することなど、まず不可能です。 しかし、Super 55を手にすれば、それが叶うのです。 次にこのマイクで歴史を変えるのは、あなたかもしれません…。











