オーディオビジュアル評論家 小原 由夫氏 ヘッドホンレビュー (SRH940)

SRH940 について語る
SRH940 について語る – オーディオビジュアル評論家小原由夫氏

私にヘッドフォンの魅力を再認識させ、ヘッドフォンで音楽を聴く楽しさに改めて開眼させ てくれたのが、このSRH940である。出会いは、普段の仕事と同じルーティンとして捉えてい たのだが、その再生音が私の聴覚神経の奥底にあったスイッチをカチッと入れたのであった。

プロ用(モニター用)として企画、設計された生い立ちがあるSRH940だが、プロ用という響き からイメージする素っ気無さや冷徹さはない。一般の音楽ファン、普通のオーディオファイル が、楽しんで音楽を聴くことができる資質に溢れたモデルである。

まず、解像力の高さ(情報量の多さ)が光る。感度の高さも相まって、通常ならば埋もれてし まいそうなローレベルの情報がすっきりと浮き上がってくる。また、周波数レンジの広さも特 筆したい。適度にタイトで深く沈む低域から、軽やかに伸びる超高域まで、公称スペック以上 にワイドレンジな印象である。しかも、偏った帯域がなく、フラットなイメージだ。

耳にかかる側圧はさほど強くはない。しかし、密閉性は高いので、音の進入や音漏れは少な い部類だろう。パッドの感触も好ましく、優しい。

これほどのパフォーマンスを備えていながら、2万円台で購入できるのが驚き。倍の値段でもヒットするような気がする。

 

 

小原 由夫 (おばら よしお)

オーディオビジュアル評論家。 理工系大学卒業後、電気回路エンジニア、雑誌編集者を経て、1992年より、フリーランスのオーディオ・ビジュアル評論家として活動。50平米強の広さの 自宅の仕事場には、200インチの大画面と大型スピーカーによる5.1chシステムを設置。アナログレコードのモノーラル再生から最新のデジタルサラウン ド、AV、PCオーディオ、カーオーディオに至るまで、そのフィールドの広さ、知見の深さでも定評があり、「実践あっての評論」というポリシーの元、多く のオーディオ誌、AV誌等に執筆している。 趣味はロードバイク、水泳、万年筆蒐集。

関連製品

SRH940

リファレンス・ スタジオ・ヘッドホン

タイトな低域を伴ったスムーズに伸びる高域エンドを実現する全帯域に渡る正確なレスポンスを備えたプロフェッショナル・オーディオエンジニアおよびスタジオユーザー用。