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Shure、APT閣僚会議でPMSEの重要性を訴える:アジア太平洋の創造産業を支える“見えないインフラ” 

July 15, 2025 |
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はじめに

2025年5月30日〜31日に東京で開催されたアジア太平洋電気通信共同体(APT)閣僚会議において、Shureは民間企業代表としての意見交換セッションに登壇し、PMSE(放送・イベント用ワイヤレスシステム)の重要性を訴えかけました。 

APT閣僚会議は5年に一度開催される重要な政策決定の場で、アジア太平洋地域全体のデジタル政策の未来を形作る会議です。Shureのバイスプレジデント兼チーフリーガルオフィサーであるエリック・マカルパイン(Eric McAlpine)は、創造産業と商業活動の持続的な発展には、470〜698 MHz帯への安定的かつ長期的なアクセスが必要だと強調しました。 

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PMSEとは?アジアの創造産業を支える“見えないインフラ”の正体 

PMSE(Programme Making and Special Events)は、ワイヤレスマイクやインイヤーモニターなど、ライブイベント、映画制作、スポーツ中継、放送といった現場で使用されるプロフェッショナル向けのワイヤレスシステムを指します。 

これらの技術は、私たちが共有する文化体験を支える“見えないインフラ”として機能しており、信頼性の高い周波数帯へアクセス出来なくなると、文化的な物語や表現が人々に届かなくなるリスクがあります。 

ShureがAPTで伝えたメッセージは明確です。マイクやイヤモニは決して補助的なツールではなく、アジア太平洋地域の創造経済の中核的な存在であるという点です。 

韓国のK-POP、インドのボリウッド映画、日本や中国で開催される国際的な音楽イベントなど、PMSEはこうした産業を支える基盤であり、これらの産業は人々を楽しませるだけでなく、数百万人の雇用を生み出し、数十億ドル規模の経済効果をもたらし、世界中に文化的な影響を発信しています。 

実際、世界の音楽ツーリズム市場だけでも2033年までに140億ドル規模に達すると予測されており、アジア太平洋地域がその主要な推進力として位置づけられています。こうした成果は、470〜698 MHz帯という、プロフェッショナルオーディオにとって不可欠で代替不可能な周波数資源へのアクセスに依存しています。 

周波数帯の課題とShureの提言

PMSEが主に使用する470〜698 MHz帯は、近年、5Gやモバイル通信への再割り当てが進んでおり、安定した運用が難しくなる懸念が高まっています。Shureはイノベーションを支持する一方で、データを送信するインフラと、人々が接続する理由となるコンテンツの両方を認識するバランスの取れた周波数政策を提唱しています。 

こうした状況を踏まえ、Shureは以下の点を強く訴えました: 

•    PMSEを、国家のデジタル戦略における重要な要素として位置づける 
•    470〜698 MHz帯への長期的かつ国際的に調和されたアクセスを確保 
•    モバイル通信と文化・エンターテインメント分野の共存を可能にする、バランスの取れた政策の推進 

結びに

今回のAPT閣僚会議で、Shureは単なる音響機器メーカーとしてではなく、アジア太平洋地域で創造活動に携わるエンジニア、アーティスト、技術者、すべての人々の声を代弁する立場で発言しました。 

私たちの提言は、一企業の利益を追求するものではありません。プロフェッショナルオーディオに支えられた創造産業全体が、周波数政策の議論で適切に評価されるべきだという思いから生まれたものです。 

ライブ会場で音を届けるエンジニア、映画の現場で完璧な音響を追求するスタッフ、放送やスポーツ中継を支える技術者たち。こうした創造の現場で働く人々が、安心して表現活動を続けられる環境を守ることが私たちの使命です。 

アジア太平洋のエンターテインメントを世界中のより多くの人に、より鮮明に届けるために。Shureはこれからも歩み続けます。

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