MV7とSM7B:どちらを選ぶべきか?

Soren Pedersen | 2020年10月26日 MV7とSM7B:どちらを選ぶべきか?

SM7Bは、すでにプロデューサーやレコーディングエンジニア、ポッドキャスターの間で伝説的な地位を獲得しています。これでないとだめ、という人も多くいますが、ユーザーは、新しいMV7マイクロホンを代わりに検討する必要があるのでしょうか?

マーク・マロンからマイケル・ジャクソンまで、SM7Bは長年にわたって多くのアーティストに愛されてきました。SM7Bがレコーディングや放送業界のアイコン的存在となったのにはそれなりの理由があります。その豊かで温かみのあるトーン、優れた外部ノイズ遮音性能、全体的な汎用性にかなうマイクロホンはほとんど存在しないからです。

プロの放送やスタジオレコーディングの現場で長年使用されてきたSM7Bは、ポッドキャスターやライブ配信者たちの間で再び人気が高まっています。しかし、放送業界やアーティストなどプロフェッショナル同等のサウンドを生み出すには高度なセットアップが必要なため、容易に手を出せないマイクであることも事実です。

XLR端子とUSB端子の両方を搭載

そこでShureは、サウンドを妥協することなくXLR出力と便利なUSB接続機能が欲しいというポッドキャスター、ライブ配信者、ミュージシャンのために、新しいMV7マイクロホンを開発しました。アイコニックなSM7BにインスパイアされたMV7は、コンテンツクリエーターやミュージシャンのためのクールな機能を何もかも備えています。

ではどちらを選ぶべきでしょうか?

最初に1つだけはっきりさせておきます。もしSM7Bでサウンドクオリティーを大幅にアップすることを目指しているのであれば、やはりそのとおりにすべきです。あのレジェンド級なサウンドに代わるものは存在しません。ですので、そういう人は、SM7Bの購入をためらう必要はありません。

MV7の詳細はこちら

では、新しいMV7を代わりに選ぶ理由とは何でしょうか?実際のところ理由はたくさんあるのですが、できるだけわかりやすく説明していきたいと思います。ただし、この2つのマイクロホンは競合するものではなく、実際には補完し合うものであることを強調しておきます。例えば、自宅からの配信にはMV7を使い、スタジオレコーディングには信頼のSM7Bを使うという人もいるでしょうし、すでにSM7Bをポッドキャスティングに使用しているユーザーであれば、リモートゲストや出先での収録用にMV7が欲しくなるかもしれません。

大きな違い

当然、大きな違いがいくつかあります。SM7Bは、ラップからロックボーカル、さらにはギターキャビネットやドラムといった大音圧の収音までのあらゆる用途に使用できます。一方、MV7はポッドキャスティングや歌唱などのスピーチ用途向けに特に最適化されています。ただし、MV7でアコースティックギターを収録できないというわけではなく、スピーチの明瞭度を決定するミッドレンジが強調されているということです。

レジェンドマイクのSM7B

それに対し、SM7Bはローエンドがかなり豊かで、映画の予告編のナレーションでよく耳にするような特徴的なブロードキャストサウンドを生み出しています。それでいて、ダイナミックマイクロホンでは不可能と思われるほどワイドでフラットな周波数特性を備えています。これが、SM7Bが「強化されたSM57」と呼ばれるゆえんです。

また、MV7はSM7Bよりもはるかに小型軽量で、利便性に優れています。SM7Bを真剣に検討している人ならご存じだと思いますが、プロたちが惚れ込むあのサウンドを手に入れるには、最低でも60 dBのクリーンゲインが得られるかなり「ゴツい」マイクプリアンプが必要です。出費を極力抑えながら機材をアップグレードしたい人には、MV7の方が手頃なソリューションと言えます。高品質のインターフェースが買える頃に、マイクロホンがユーザーとともに「成長する」ということも見逃せないポイントです。

1台2役

「成長する」とはどういう意味でしょうか?MV7は、オーディオインターフェースを持っていないユーザーがコンピューターに直接接続できるように、標準のXLR端子と便利なUSB端子の2種類の出力を備えています。ユーザーはパソコンとMV7さえあれば、どこでも高品質の収録が可能であることに加え、XLRケーブルが必要な標準のオーディオ機器にも対応できるということです(プロのヒント:USB出力とXLR出力を同時に使用することも可能です!)。

したがって、いずれはSM7Bとインターフェースで機材をアップグレードすることに決めている人も、ポッドキャスト配信のゲスト用として、実況解説用、あるいは大人数のレコーディングセッションに重宝する素晴らしいセカンドマイクとなるはずです。

自宅からのレコーディングや配信も実現可能(XLR接続)

ボイスアイソレーションテクノロジー

MV7は、兄貴分のSM7Bと同様に、レコーディング場所の音響特性の影響を受けにくく、ユーザーの声だけを収音するためのダイナミックマイクロホンです。カートリッジ、収音パターン、およびショックマウントの絶妙な組み合わせにより、バックグラウンドノイズや室内ノイズを排除してユーザーの声だけを正確に収音します。これは、交通量の多い道路に面した住宅などでレコーディングや配信をしている人の常識を覆すかもしれません。猛暑の中で頭から毛布をかぶってポッドキャストを収録する。窓や壁を防音シートで覆いながら実況解説をしている。そんな地獄ともついにおさらばです!

オートレベルモード

MV7のもう1つの優れた機能はオートレベルモードです。USB接続した場合、マイクロホンが声のレベルを自動調整して、レコーディングや配信の出力レベルを一定に保ちます。その結果、全体にわたって音量を一定に保つだけでなく、音声編集に必要な時間を減らすこともできます。まるでレコーディングエンジニアがそばにいるかのようです!

また、Shureはマイクゲイン、マイクミュート、EQ、モニターミックス、リミッター、コンプレッサーなどの各種設定にアクセスすることを可能にするShurePlus™ MOTIVアプリのデスクトップ版とモバイル版を開発しました。「ダーク」、「ナチュラル」、「ブライト」から選んでサウンドシグネチャーを設定できるほか、各種設定の組み合わせをプリセットとして保存し、簡単に呼び出せるプリセット機能を使って保存することもできます。このアプリはこちらから無償で入手できます。

オンマイクにも、オフマイクにも対応

なるべく口元に近づけてオンマイクで収録したいポッドキャスターも、画角にマイクを入れず配信したいストリーマーも、MV7なら「Near」モードまたは「Far」モードを選ぶだけで、マイクロホンのポジショニングに合わせて簡単に調整することができます。

確かに、コンテンツクリエーター向けのクールな機能を備えていますが、MV7がミュージシャン用としても優れたマイクロホンであることは見過ごされがちです。もしあなた自身がミュージシャンやシンガーであれば、スタジオ設備の揃っていない、決して理想的とは言えない音響特性のスペースでのボーカルトラックの収録でもスタジオ級のクオリティー収録が出来るメリットに気が付くでしょう。セルフプロデューサーならば、USB接続のラップトップセッションからXLR接続のスタジオレコーディングにスムーズに移行できる点を高く評価するはずです。

全体的なコントロール性

実際、MV7の機能を1回の記事ですべて紹介するのはかなり難しいのですが、一言で言えばサウンドの全体的なコントロール性ということに尽きます。ぜひ便利なタッチパネルや、遅延ゼロのヘッドホンモニタリングをチェックしてみてください。

利便性、コントロール性、そしてプロフェッショナルクオリティーのサウンドを兼ね備えたMV7は、現代のYoutuberやゲーム実況者など多くのコンテンツクリエーターやミュージシャンに最適です。もちろん、レジェンドマイクのSM7Bに代わるものではありませんが、ファミリーの新たなメンバーとして素晴らしい製品であることは間違いありません。

Soren Pedersen

Soren Pedersen

Shureの有線マイクのプロダクトスペシャリスト。MOTIV™とPG ALTA製品ラインの開発を率いており、Shureのイヤホン愛好家。15歳の頃から音楽のレコーディングを始め、コロンビア大学シカゴ校でオーディオ・アートと音響学を学んだ。プライベートではドラムを演奏し、料理に没頭する一面も。