パーソナルモニターシステムを使用する理由

パーソナルモニターシステムを使用する理由

シェアする Facebook Twitter LinkedIn

パーソナルモニターシステムを使用する理由

Facebook Twitter LinkedIn

Shureは、初の免許不要帯域(B帯)でも使用できるPSM300 ステレオパーソナルモニターシステムを発表いたしました。PSM300は、圧倒的な高音質と抜群のモニター機能を両立した、より身近になったモニターシステム。ここで改めて、イヤモニを使用する利点をご説明いたします。

PSM_300_ Lifestyle_5_LR

Shureは、初の免許不要帯域(B帯)でも使用できるPSM300 ステレオパーソナルモニターシステムを発表いたしました。PSM300は、圧倒的な高音質と抜群のモニター機能を両立した、より身近になったモニターシステム。ここで改めて、イヤモニを使用する利点をご説明いたします。

 

パーソナルモニターシステムを使用する理由

ウェッジモニターシステムに不満を抱いたことはありませんか?ハウリング、音量不足、聞こえないパートがある、モニターエンジニアが要求にすぐに応えられないなど、数々の問題に直面したことがあるでしょう。しかし、たとえ優れたシステムでも、音響特性によるさまざまな限界があります。パーソナルモニターのコンセプトは、従来のフロアモニターシステムの制約に縛られないステージモニターを求める声から生まれました。

 

パーソナルモニターによって得られる4つの利点

– 優れた音質

– 持ち運びやすさ

– 動きやすさ

– パーソナルコントロール

P3T_P3R_wSE115_ Family_cropped
優れた音質

パーソナルモニターシステムの優れた音質は、パフォーマーにとって十分な音量、ハウリングマージンの高さ、聴覚保護、声帯疲労の軽減、オーディエンスミックスとの干渉の少なさなど、さまざまな要因が相まって得られます。

– 十分な音量
モニターエンジニアに対する最も一般的な要求は、「モニターの返しを大きくして欲しい」ということ。しかし、そんなに単純にはいきません。フロアモニターを使用する場合、パワーアンプの出力パワー、スピーカーの許容入力、音響ゲインなどのさまざまな要因で音量が制限されることがあります。

また、パフォーマーにとって自分の出音が聞こえにくいもう1つの要因はステージ上の騒音レベル。通常は出音をアンプで増幅するギタリスト、ベーシスト、キーボーディストとは違い、多くの場合、ボーカリストはステージモニターだけが頼り。もちろん、ドラムは増幅しなくても聴覚的に大音量です。そうした騒音の中で各ミュージシャンが自分の出音を聞こえるようにしようとすると、「ボリューム合戦」になることもよくあります。楽器をモニターミックスに加えると、往々にしてボーカルの明瞭度が低下しますが、作成可能なミックスが少ない場合はそうせざるを得ません。キーボードやアコースティックギターなど、モニターに頼る楽器は、得てしてボーカルと音響空間の奪い合いとなります。パーソナルモニターシステムは、ミュージシャンをステージ上の騒音や不十分な音響特性から遮断するため、ステージ上でも「スタジオ」のような音質でモニターすることが可能です。さらに、モニターミックスを各自の好みに合わせて調整できるため、モニターエンジニアへの要求も最低限で済むかもしれません。

– ハウリングマージン
従来のステージウェッジでモニターレベルを上げようとする場合、アンプやスピーカーを追加すれば可能ですが、音響特性を無視することはできません。ハウリングマージンの概念は、ハウリングを発生させることなくマイクロホンのレベルをどれだけ上げることができるかに関係します。

簡単に言うと、音源がマイクから遠いほど、マイクがスピーカーに近いほど、あるいはスピーカーがパフォーマーから遠いほど、ハウリングマージンは稼げなくなります。一般的なステージで、マイクが口に近い場合は大丈夫ですが、モニタースピーカーに(相対的に)近いと問題があります。モニタースピーカーがパフォーマーから(相対的に)遠いと、問題はさらに悪化。つまり、マイクによって収音された音がスピーカーによって再生され、その再生音が同じマイクロホンによって再び「拾われる」と必ず、ハウリングが発生します。十分なモニターレベルを得るには、かなりのゲインが必要です。

パーソナルモニターは、ハウリングマージンの問題を完全に解消します。パーソナルモニターは、「スピーカー」が耳の中に密閉されており、マイクロホンから遮断されています。そのためハウリングループが発生せず、必要な音量を得ることが可能です。

– 聴覚保護
非常に高い音圧レベルに長時間さらされると、聴覚が損なわれることがあります。耳栓を着用して聴覚を保護する方もいますが、たとえ最良の耳栓でも周波数特性がかなり変わってしまいます。パーソナルモニターは、耳栓と同等レベルの聴覚保護が可能なことに加え、高遮音性の超小型スピーカーならではの利点が。それは、パフォーマー自身がモニターレベルを決められることです。音量が大きすぎると思ったら、快適なレベルまで下げるだけです。高いレベルの過渡信号による永久的な聴覚障害を防止するために、オーディオミキサー側でも使用することが強く推奨されます。

– 声帯疲労の軽減
音量の問題と密接に関連して、モニターの明瞭度向上はシンガーの声帯疲労軽減につながります。多くのシンガーは、モニターシステムの能力が不十分な場合、それを補うために無理をして声帯に力を入れて歌ってしまいます。しかし、シンガーにとって声を失うことは死活問題です。「楽器」である声帯は、あらゆる対策を講じて保護すべきもの。パーソナルモニターは、ボーカリストがこの先もずっと歌い続けていく上で大きな助けとなります。

– ステレオモニター
パーソナルモニターシステムの大きな利点は、ステレオモニターが可能であること。すべての状況に当てはまるとは限りませんが(特に作成可能なミックス数が限られている場合)、ステレオで作成したモニターミックスは現実的なリスニング環境をより正確に再現できます。人間は両耳で音を聞きながら生活しています。必然的に、ステレオモニター・ミックスの方が自然なサウンドステージが得られます。また、ステレオでモニターすることにより、全体的なモニターレベルを下げることも可能です。

– オーディエンスミックスとの干渉
パーソナルモニターの恩恵を受けるのは、パフォーマーだけにとどまりません。ウェッジモニターの欠点は、ステージからオーディエンスエリアに音が漏れること。高周波は指向性がありますが、低周波はスピーカーキャビネットからほぼ無指向性で放射されます。そうした状況では、ただでさえステージの大音量と格闘しながらオーディエンスミックスを作成しなければならないFOH(フロント・オブ・ハウス)エンジニアの仕事がさらに複雑になります。モニターの背面からの過剰な低周波は、ハウスミックスのサウンドを濁らせ、特に小規模の会場ではボーカルの明瞭度を大きく損なうことがあります。しかし、ウェッジをなくせばサウンドの明瞭度は大きく向上します。

持ち運びやすさ
1

持ち運びやすさは、ツアーバンドにとって、あるいは毎回イベントの終了後にサウンドシステムまたはバンドのパフォーマンスエリアを撤収する施設にとって重要です。平均的なモニターシステムは、比較的小型のモニター設備でもそれぞれ約20 kgのモニターウェッジが3 ~ 4 台、25 kg のパワーアンプが1 台以上で構成されます。それに対し、パーソナルモニターシステムはブリーフケースにすべて収まります。単に美的観点から言っても、ウェッジや太いスピーカーケーブルをステージからなくせばステージ全体の見た目がよくなります。これは、音質と同様に目立たないことが重視される結婚式場や教会などの専属バンドにとっても特に重要です。パーソナルモニターを使用すれば、すっきりしたステージ環境が得られます。

動きやすさ
2

ウェッジモニターの場合、ステージ上に「スイートスポット」、つまりすべてのサウンドがよく聞こえる場所ができます。そこから左右に一歩動くだけで突然、音質が低下します。この効果はスピーカーの指向性が比較的鋭いことによるもので、特に高域において顕著です。しかし、パーソナルモニターを使用すれば、ヘッドホンと同じように、いくら動いてもモニターサウンドが変わることはありません。こうしたパーソナルモニターの基本特性は、会場の違いにも左右されません。ウェッジの場合、室内音響特性が全体的な音質に大きく影響しますが、プロフェッショナルイヤホンは周囲騒音からの遮音性が高いため、ほとんど影響を受けません。理論的には、同じバンド、同じメンバーであれば、モニター設定をほとんど変えなくても、ミックスから常に同じモニターサウンドが得られます。

パーソナルコントロール
3

パーソナルモニターの最も大きな利点の1 つは、モニターする音声を直接調整できること。微調整はサウンドエンジニアに任せる必要がありますが、全体の音量やパンなどの大まかな調整やミックスの選択はパフォーマーが行うことができます。ミックス全体の音量を上げる必要がある場合、パフォーマーはモニターエンジニアにジェスチャーで指示しなくても、自分でボディパック型受信機を直接操作するだけで済み、MixModeを搭載したシステムは、さらに細かい調整が可能です。

MixMode は、ボディパック型受信機でステレオシステムのL/R 音声チャンネルをブレンドし、その音声を両方のイヤホンに送る機能です。この場合、システムへの入力はL/R ではなく、「ミックス1」と「ミックス2」として扱う必要があります。受信機のバランスコントロールがミックスコントロールとして機能し、パフォーマーは一方のミックスを選択したり、それぞれのレベルを調整して両方のミックスをモニターしたりすることができます。L 側にパンするにつれて「ミックス1」のレベルが徐々に上がり、「ミックス2」のレベルが下がります。逆にR 側にパンすると、「ミックス2」のレベルが上がり、「ミックス1」のレベルが下がります。モニターミックスの調整をパフォーマー自身に任せることにより、サウンドエンジニアはモニターの調整を気にする必要がなくなり、FOH ミックスの調整に集中することが可能になります。

4

パーソナルモニターシステムを使用する利点を、4つのポイントからご理解いただけましたでしょうか?あなたのパフォーマンス向上に役立つ、より身近になったPSM300 ステレオパーソナルモニターシステムの詳細は製品ページをご覧ください。
https://www.shure.com/ja-JP/products/in_ear_monitoring/psm300

PSM_300_ Lifestyle_7_LR