マイク位置が重要である3つの理由

マイク位置が重要である3つの理由

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ライブサウンドにおいては、マイクの配置によって違いが生まれる大切な3点があります。狙った音にフォーカスできる、よりハウリングマージンを稼げる、そして楽器の「スイートスポット」を捉えられる という点です。ライブでは、最高のオーディオパフォーマンスにこの3点を欠かすことはできません。

ライブサウンドにおいては、マイクの配置によって違いが生まれる大切な3点があります。狙った音にフォーカスできる、よりハウリングマージンを稼げる、そして楽器の「スイートスポット」を捉えられる という点です。ライブでは、最高のオーディオパフォーマンスにこの3点を欠かすことはできません。

それでは、一つずつ見ていきましょう。

 

#1: 狙った音にフォーカス

一般的に狙った音にフォーカスさせるには、指向性があるマイクロホンの使用が最適。近くに配置されている楽器が出す音を遮断し、かぶりを抑え、たとえばスネアのマイクがフロアタムの音を拾ってしまうというような状況を防ぎます。

 

#2: ハウリングマージンを稼ぐ (ハウリングを起こさず出力を大きく取ること)

指向性マイクロホンの最大遮音角度を活用することで、ハウリングマージンを稼ぐことができます。これはライブ環境においてはきわめて重要なことです。

指向性があるマイクの収音角度の種類には、一般的にカーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイド、バイディレクショナル(双指向性、またはフィギュア8)の4種類があることを頭に入れておきましょう。また、あまり有名ではありませんが切り替え可能なパターンのサブカーディオイドパターンも存在します(KSM9HS)。

一般的な環境であれば、フロアモニターとサイドフィルモニターを指向性マイクの収音軸外の範囲に並べることで、最大限ハウリングマージンを稼げます。ただし、ある程度のレベルを超えればそれだけでハウリングを防ぐことはできず、どのPAシステムでも最終的にはハウリングが発生してしまいます。ベストな実践は、音質を保ちながら、できる限りマイクと楽器を近づけることです。

ところで、音質についてはもう一つ大切な要素があります。音源がマイクに近いと、マイクは強い信号を出力します。無指向性マイクのフラットな応答は、信号をすべての周波数にわたって公平に上昇させることができますが、指向性があるマイクの場合には中音域あるいは高音域に比べて低音域の出力が高くなります。この減少は近接効果と呼ばれ、指向性があるマイク独特の効果です。

声に深みを与えたいというスピーカーやボーカリスト(たとえばラジオの声など)にとっては近接効果が利点となる場合もありますが、強すぎる近接効果は声を濁らせる結果となってしまいます。近接効果をなくしたい場合は、マイクを音源から数センチ離すと良いでしょう。

 

#3: 「スイートスポット」を捉える

最後に、楽器のスイートスポット、つまり最高の音質がマイクに捉えられる理想的な位置についてご紹介しましょう。スイートスポットと聞くと、サウンドが自然でバランスの取れているスポットと思われるかもしれません。しかしプロデューサーのBobby Owsinski氏によれば、それは「実際よりも良く聞こえ、自然な音ではない場合もある」そうです。つまり、好みの問題というわけです。

ここで、あらゆるマイクにおけるスイートスポットの見つけ方のヒントを挙げてみました。

  1. 無指向性マイクを設置し、方耳を塞いでもう片方の耳だけで音を聞きます。演奏者あるいは音源を移動し、自分にとって一番良い音が聴こえるスポットを探します。無指向性マイクは最近のレコーディングではあまり使用されていませんが、近接効果がないなど、利点は多々あります。
  2. カーディオイドマイクロホンを設置した場合は、片耳を塞ぎ、もう片方の耳の後ろに手のひらをカップ型に添えて音を聴きます。演奏者あるいは音源を移動し、自分にとって一番良い音が聴こえるスポットを探します。ここでは手のひらを添えることで、指向性マイクが音を拾う方法をシミュレートしています。周波数応答がいくらか変わることに気がつくと思いますが、これは音が指向性マイクにどう「聴こえているか」を示すものでもあります。
  3. ステレオペアを配置するには、両耳の後ろに手を添えます。演奏者あるいは音源を移動し、自分にとって一番良い音が聴こえるスポットを探します。

 

理想の音が得られないからといって、すぐに新しいマイクの予算の心配をする必要はありません。まずはお金のかからない実験から行ってみましょう。Owsinski氏によれば、理想的な音の実現に必要なのは正しいマイクの配置、結局これに尽きるのだそうです。

 

参考:

マイクロホンの配置のより詳細な情報は、Shureの情報ブックレットMicrophone Techniques for RecordingおよびMicrophone Techniques for Live Sound Reinforcementをダウンロードしてご覧ください。その他、free publications from Shureもご参照ください。プロデューサー/エンジニア、そして講師でもあるBobby Owsinski氏によるヒントはwebsiteでご覧ください。