業界の仕事:タレント・バイヤー

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いくつかの職務の仕事内容について話を聞き、その職業を目指したいという人たちへのアドバイスをご紹介したいと思います。まず始めに、シカゴが誇るMetroのアシスタント・タレント・バイヤーであるチャド・クライン(Chad)氏にお話を伺いました。

Shureに就職してから1年の間に様々な業種の方にお目にかかり、他の人々から特定の役職名について、具体的にどんな仕事なのかを尋ねられることも多々経験してきました。そこで、いくつかの職務の仕事内容について話を聞き、その職業を目指したいという人たちへのアドバイスをご紹介したいと思います。まず始めに、シカゴが誇るMetroのアシスタント・タレント・バイヤーであるチャド・クライン(Chad)氏にお話を伺いました。

 

Brooke
Brooke: これまでの経歴について簡単に伺えますか?

 

Chadd
Chad: 2010年にコロンビア大学の修士号を取得しました。専攻は音楽ビジネスです。僕は常にアーティスト達にとっての触媒となれるような存在になりたいと考えていました。僕自身はアーティストというタイプではなく、それに興味を持ったこともないのですが。ただ、とにかく音楽が大好きで、自分のビジネス・スキルでアーティストの名を広めることに貢献できるんです。これほど楽しいことはありませんね。

 

Brooke
Brooke: 具体的に、タレント・バイヤー(Talent buyers)というのはどんな職業なのですか?

 

Chadd

Chad: タレント・バイヤーというのは、アーティストと交渉するプロモーターの代表みたいなものです。アーティスト側にはエージェントがいますよね。そして会場側にはプロモーターがいます。実は、プロモーターとエージェントこそが契約をまとめて、ショーを創り上げる立役者なんです。「有名人と友達になって、一緒にいつもパーティしてられるなんて最高の仕事!」なんて思っている人はたくさんいると思いますが、アーティスト自身と話し合うことはほとんどないんです。いつもエージェントが相手ですね。

 

Brooke
Brooke: タレント・バイヤーは、大事な自分の会場で誰がプレイするのかを決定するという大切な仕事を担っています。ライブハウスは大抵、有名なアーティストに他の会場ではなく自分のところでプレイしてもらえるよう、競争しているものよね。実際どのような状況なのでしょう?

 

Chadd
Chad: シカゴは、そういったライブハウスが五万とせめぎあっていて、競争率が激しいところです。条件的なところでは金額面が重視されるという流れになってから、もうずいぶん経ちますね。付随的なサポートは多くの会場で様々に提供されるもので、シカゴのような大都市の場合、ライブ会場の選択肢がいくらでもあるエージェントが、大きな権力を握ることになるんです。もう一つ難しい点は、クラブのシーズンというものが春と秋に限られているということです。冬のシカゴにツアーに来るアーティストはほとんどいません。これはまぁいつも変わらないことではあるんですが、今では夏もすっかり干上がり状態です。これは夏フェスがあるからなんですね。アーティストたちは、自分たちでヘッドライナーツアーを行うよりもフェスティバルで大きなステージを任されたいんですよ。

 

Brooke
Brooke: タレント・バイヤーになりたい人たちへ、アドバイスを頂けますか?

 

Chadd

Chad: 一番大事なのは、財政面、そして契約がどのように構成されているのか、アーティストとエージェントが何を求めているのかを理解することです。プロモーターとして、会場をレンタルしているサードパーティのプロモーター、または会場自体のプロモーター、いずれにしろ、すべての経費を理解し、その収入に精通していなくてはなりません。もうひとつ大切なのは、様々なタイプの音楽を受け入れる気持ちですね。この場合、自分の好みはそれほど重要ではありません。自分の好みより、観客の好みのほうが大事ですから。そして最後に、ネットワーキング面です。僕の経験上、ずいぶん長い間好きになれなかった部分ではあるんですが、その核となるのは、タレント・バイヤーというのは人間関係を管理する役割であるということです。アーティスト、マネージャー、エージェントなどと常に良い関係を築いていける能力は大切ですよ。この業界にはいくらでも機会が転がっています。確かにどんなコネクションを持っているかという点も大事ですが、関係する双方にメリットがもたらされるよう、真摯に取り組む気持ちが必要ですね。