オーディオのうわさ うそ?ほんと? Part 2

Davida Rochman | 2008年2月15日 オーディオのうわさ うそ?ほんと? Part 2

パート1につづき、長年に渡ってオーディオ業界で語られてきたさまざまなうわさについて、ご説明いたします。

 
ワイドレンジのフラットレスポンスマイクはシェープドレスポンスのマイクよりも優れている

場合によります音源の周波数範囲がとても広い場合は、高い忠実度で原音を再生するマイクロホンが必要。この要件に対応するのがフラットなレスポンスのマイクロホンです。再生システムやライブサウンドシステムなど、音が向かう方向が何であれ、マイクはあなたが苦労して収音したレンジを再生します。
平均的なロックンロールサウンドシステムは、それ自体ではワイドレンジのフラットなレスポンスは提供しません。そのため、ワイドレンジのフラットレスポンスマイクロホンを前に設置しても効果は少なく、性能の違いは聞き取ることができません。ただし、大変高品質のサウンドシステムや録音環境の場合は、性能の違いが分かります。

 

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SM58は40年間変わっていない

間違い: SM58 が 1967 年に発売された時には、ブロードキャスト用途を目的としていましたが、最終的には受け入れられませんでした。しかし、その頃巣立ったばかりのライブサウンド業界で認知され、短い間に高い信頼性と優れたサウンドを提供する手ごろな価格のマイクとして、幅広い用途で活用されるようになりました。

ダイナミックマイクロホン技術は変わっていません。内燃ガソリンエンジンと同様です。327 小型ブロックシヴォレーエンジンは古い技術です。1960 年代始めに開発されたこの技術は、素晴らしい性能を提供する実証された設計であり、高く評価され、今日でも広く活用されています。信頼性や製造性についてはさまざまな改善がなされてきました。トランスフォーマーにはセカンダリータップがありました。これは、50-ohm 出力インピーダンス条件がもはや要因でなくなったことから、およそ 15 ~ 20 年前に取り除かれました。ボイスコイルワイヤーは、コッパー・クラッド・アルミニウム製に変わり、ボイスコイルの半田性が改善されました。これによって、カートリッジ構造になりました。出力コネクタの接地機構が変更されました。塗料配合が改善されました。グリルめっきも改善されました。このように、長期的な信頼性に関する事柄は、その歴史を通して、常に変化し続けています。

 

サウンドシステムのパーツを接続する際には、ベストな結果を得るためにインピーダンスを一致させる必要がある

間違い:これは事実ではありません。1950 年代後半以来事実であったことはありません。最新設計のサウンドシステムでは、負荷インピーダンス、または、接続するデバイスのインピーダンスは、ソースインピーダンスを大幅に上回らなければなりません。ソースインピーダンスは接続するデバイスです。例えば、マイクロホンのソースインピーダンスが約 150 ohms の場合は、マイクを接続するデバイスの入力インピーダンスは 5 ~ 10 倍大きくなければなりません。ミキサーの場合は、最低 1000 ~ 1500 ohms のインピーダンスが必要です。

ミキシングコンソールの実際の仕様を見れば、いわゆる低インピーダンスマイク入力の入力インピーダンスは通常約 1500 ohms であることが分かります。インピーダンスを一致させると、レベルが下がって、ヘッドルームが少なくなります。システムはそのような状態で動作するようには設計されていません。一般に、マッチングは重要ではありません。

 

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高遮音とノイズキャンセルは同じである

間違い: ノイズキャンセルは、ヘッドホンで最も一般的に採用されています。周囲の雑音を「聞く」ためにマイクロホンを使用します。次に、雑音の極性を反転して、極性ノイズからヘッドホン信号を再生し、特定の周波数を取り消します。アーティファクト(人工的な音)をリスニングマテリアルに追加することもあります。「ノイズキャンセル」に必要なアクティブ回路にはバッテリーまたは電源供給が必要です。

高遮音はパッシブで。つまり、電力で動作する電子回路は必要ありません。イヤホンの世界では、「イヤパッド」を使用して雑音を遮断します。高遮音性イヤホンには、ノズルの周辺に耳栓タイプのイヤパッドが装備されています。このイヤパッドを耳の中に挿入すると、周囲の望ましくない音をパッシブに遮断します。その際には、好ましくないアーティファクト(人工的な音)が発生したり、リスニングマテリアルの品質が劣化することはありません。

ある調査によれば、周囲の雑音を低減する場合には、高遮音はノイズキャンセルよりも効果が大幅に高いことが分かっています。

 

ファンタム電源を使用するとダイナミックマイクロホンが破損する

いくつかの理由から正しくありません: 定義上は、ファンタム電源は、バランスマイクロホンケーブルの両方の導体に DC 電圧を供給します。実際にご覧いただけば、ピン 2 とピン 3 であることが分かります。ダイナミックマイクロホンでは、ピン 2 とピン 3 は、マイクロホンカートリッジの一部であるボイスコイルの反対の端に接続されています。定義上は、ファンタム電源内の DC 電圧は同等です。ボイスコイル全体の電圧差はありません。ボイスコイルを通ってファンタム電源から流れる電流はありません。両端の電圧は同じです。

ダイナミックマイクを正しく配線して、ファンタム電源が通常どおり動作していれば、ファンタム電源はマイクの挙動に一切影響しません。

ダイナミックマイクロホンの内部ワイヤーや使用しているケーブルに故障があっても、それによってマイクロホンが破損する可能性はありません。ワイヤーに故障があり、ダイナミックマイクロホンのボイスコイルを通って電流が流れた場合でも、ファンタム電源の電流は制限されています。つまり、ファンタム電源から供給できる電流の最大量が完全に短絡した回路に流れ込んだとしても、ボイルコイルが破損するほど大きい電流ではありません。このような状態になると、おかしな音になります。通常、レベルが低下して、低音域が消え、薄く汚れた音になって、マイクロホンの音が劣悪なことに気付くはずです。ワイヤーの故障を直せば、マイクロホンは通常通り動作します。

 

送信機の電力は大きければ大きいほど良い

間違い: 実際には、特に、複数のワイヤレスシステムを使用する場合など、電力が大きいと悪い影響があることがあります。そのような場合には、最低電力設定を使用します。

複数の送信機は相互作用して、相互変調ひずみ成分と呼ばれる干渉信号を生成します。送信機の電力が大きいほど、この相互変調ひずみ成分による干渉レベルが高くなります。その結果、使用できるワイヤレスシステムの合計数が大幅に低減されます。例えば、10 ミリワット(1 ワットの 10000 分の 1)の標準送信機電力レベルでは、最大 30 ~ 40 のシステムを同時に使用できることがあります。電力レベルを 100 ミリワット(10 倍の電力)に上げると、相互変調ひずみ成分が増加して、わずか 10 のシステムしか使用できないこともあります。

このため、30 ~ 40 のチャンネルを同時に使用する劇場用途では、低電力の送信機を使用します。使用する送信機の数が少ない場合、または、1 台の送信機しか使用しない場合にのみ、電力の大きい送信機を推奨します。その他の装置と干渉することはありません。大変長い到達範囲に対応したり、または、高いレベルの背景電波雑音に対応しなければならないことがあります。

例えば、Shure の UHF-R システムでは 10 ミリワットから 100 ミリワットに切り替えることができます。 すべての送信機を 100 ミリワットに設定すると、あらゆる種類の問題が発生します。また、電力が大きいと、バッテリが短時間で消耗します。一般的に、電力の大きい送信機は放送用で使用されます。

 

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リボンマイクは高圧レベルやライブパフォーマンスで使うには壊れやすすぎる

間違いです。市場にある現在のモデルの多くは、これに当てはまりません。長年にわたるデザインと素材の改良の結果、現在のリボンマイクは高い音圧レベルにも対応し、Shure KSM353およびKSM313などは特に、特許素材Roswellite®をリボンに使用して注目を浴びています。Roswelliteは非常に強いながらも低質量で高い伝導性と形状記憶性を持つため、きわめて高い音圧レベルや風圧、破裂音など厳しい状況にも対応しながら、リボンマイクロホンの特徴である感度の良さを残しています。

多くのリボンマイクロホンは現在、幅広い活用方法を求める需要に応えるべく、ステージあるいはスタジオでのボーカル・楽器用途につくられています。Shureでは過酷な使用にも確実に耐えうるよう、高品質素材(カーボンスティール、ステンレススティール、ステアリングシルバー、ニッケル、ゴールドプレート)と堅牢な内部構成を採用し、製品を専門家の手ですべて組み上げています。

 

気になるうわさはありましたか?ぜひご意見お聞かせください!

Davida Rochman

Davida Rochman

1979 年よりShureに入社した Davida Rochmanはスピーチコミュニケーションの学位を取得しており、マイクに向かって喋るのではなくマイクのマーケティングを行うという大学卒業後初の仕 事が、そのまま生涯のキャリアとなるとは夢にも思っていなかったそう。現在、Davidaはコミュニケーションマネージャーとして、広報からソーシャルメ ディア、コンテンツ開発、スポンサーシップまで様々な活動を担当しています。