プレゼンターのための、マイクとマイクテクニックの基本ガイド

Chris Lyons | 2021年4月23日 プレゼンターのための、マイクとマイクテクニックの基本ガイド

プレゼンするときのマイクは重要です
 

プレゼンターの目的は、聴衆に情報を伝え、聴衆を興奮させ、魅了することです。しかし、音声品質が問題となることがよくあります。安定しないサウンドレベル、ケーブルの存在、服によるノイズ、また全体的に貧弱な音声品質、こういった要素が聴衆の気を散らします。

聴衆に良い音質で伝えるには、使用するマイクのタイプを知り、それぞれを最適な状態で使えるようになることが重要です。これはノートPCやスライドのデザイン、配布資料と同じように、良いプレゼンの重要な要素なのです。プレゼンのときに、今まで使ったことのないPCで登壇することはありませんし、レビューしていないスライドをプレゼンすることもありません。また、自信のない内容をプレゼンすることもないでしょう。しかし、残念ながらプレゼンでどのようなタイプのマイクを使うかを事前に知ることはまずありません。だからこそ、さまざまなタイプのマイクをうまく使いこなせるようになることが必要です。

基本的なマイクタイプの概要は以下の通りです。:
 

卓上グースネックマイク
 

多くの部屋では、演壇や教壇に取り付けられた、角度や高さが調整可能なグースネック型のマイクをプレゼン時に使用します。

演壇からスピーチするときにプレゼンターがおこなうべきことは2つあります。1つ目は、マイクを最適な高さと角度に調整することです。胸や肩ではなく、顔にマイクを向けます。前の登壇者と自分の身長が極端に異なっている場合、マイクが最適な位置になく、音声品質レベルが低かったりはっきり聞こえなかったりする可能性があります。2つ目は、マイクの正面にポジションをとることです。演壇の横に立ったり、スクリーンやホワイトボードを指すために歩いたりすると、聴衆にはあなたの声が聞こえないでしょう。
 

ラベリアマイク(ピンマイク)
 

おそらくプレゼンターにとって最も一般的なマイクは、ワイヤレス型のラベリアマイクです。両手を自由に使って、指をさしたりジェスチャーを入れたりすることができ、音声品質を犠牲にすることなく歩き回ることができます。

ラベリアマイクは、服に取り付ける小さいクリップ付きマイクと、ベルトに取り付けたりポケットに入れるクリップ付きトランスミッターからなります。クリアな音声を届けるには、マイクを胸ポケットあたりの位置に取り付けるとよいでしょう。もし位置が高すぎると顎に邪魔をされ、こもった音声になることがあります。逆に位置が低すぎると、音声が小さすぎて聴衆の興味を失わせることになりえます。また、ノイズの原因やマイクにぶつかることになるので、長いネックレスを身に着けることは避けてください。

内輪の会話や聴衆に伝えたくない内容を聞かせるのを避けるため、プレゼンの前後はマイクの電源をオフにするのを忘れないでください。
 

ヘッドセットマイク
 

聴衆のたくさんいる大きな部屋の場合、ラベリアマイクではハウリングなしで十分に大きな音声を出すことが難しい場合があります。この場合の解決方法としては、マイク部が口元まで伸びる細いアームのついた、ヘッドセットマイクを使います。マイクは音源(口)に近いので、ハウリングのリスクは小さくなります。プロフェッショナルなプレゼンターはヘッドセットマイクをよく使います。というのも、カメラに映りにくい点とハンズフリーの利点を両立しているからです。そして、より多くの聴衆にエネルギッシュなプレゼンを届けられる音声レベルを実現できるからです。

吐息のノイズを拾うのを避けるため、ヘッドセットマイクは口の正面や鼻の下にセットしないように確認してください。可能であれば、全てがスムーズに動作するように、事前にサウンドチェックをしてください。
 

ハンドヘルドマイク(ハンドマイク)
 

ワイヤレス型のハンドヘルドマイクは、音声を制御しやすいですが、使いこなすには少し慣れが必要です。もしあなたが力強いスピーカーなら、ハンドヘルドマイクであればマイクを口元に持ってきて声を落とすことで、より親し気な音声を出すことができます。話す内容を強調するために叫ぶ必要があるなら、前列の聴衆をびっくりさせないようにマイクを数インチ離します。スタンダップコメディアンは、話す内容によって即座に音を操ることのできる柔軟性をもつハンドヘルドマイクを好みます。

またハンドヘルドマイクは、多くのプレゼンターが好む、より強固な"ロックンロール"サウンドを届けることもできます。一定の大きさの声を届けるには、マイクヘッドを胸ポケットあたりの高さにキープし、マイクに向かって話すようにし、マイクをブラブラさせたり下方向に落とさないようにしてください。

最後に、たまにしかプレゼンしない方でも恩恵を受けられる、マイクのプロのヒントをいくつか挙げます。

  • 録音してみる。思いがけない聞こえ方だったりするので、自分の声やプレゼンスタイルによってマイクやマイクの位置がどうあるべきか知ることができます。
  • サウンドエンジニアやAV技術者がいるなら、活用する。どのタイプのマイクを使うか事前に知り、もしマイクタイプに希望があるなら躊躇せずリクエストする。どのように音声が聞こえるか気にするプレゼンターを、たいていのサウンドエンジニアは歓迎するでしょう。
  • マイクを使いながら部屋を歩いてみる。もしワイヤレス型のハンドヘルドマイクやラベリアマイクを使うつもりなら、どこにいても音声がしっかり聞こえること、そして例えば吐息や服の擦れなどをマイクが拾わないことを確認してください。また、後列の聴衆も忘れないでください。当然彼らにも声が聞こえる必要があります。

目的は、メッセージがはっきりと伝わる、クリアで明瞭性の高い音声を届けることです。もし聴衆が音声に違和感を持ってしまうなら、おそらくマイク周りの何かが適切ではないのです。これらの4タイプの一般的なプレゼン用マイクをしっかり使いこなすようになれば、いつでも最高の声を聞かせる準備ができていることでしょう。

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Chris Lyons

Chris Lyons

Shureで30年に渡りマーケティングと広報畑を歩んできたベテラン。複雑な音響技術をクルマや食べ物に例えてわかりやすく解説することを得意としている。歌や楽器の演奏はしないが、代わりに同僚を笑わせる。