【自治体】瀬戸内町役場様|クリアな音声で会議の議論が活性化、職員の業務DXにも貢献|Microflex Complete Wireless

【自治体】瀬戸内町役場様|クリアな音声で会議の議論が活性化、職員の業務DXにも貢献|Microflex Complete Wireless

はじめに

“Shureの会議システムは手軽に持ち運べて簡単に利用でき、音声も上質です。議論が活性化するうえ、議事録作成の業務改革にも役立っています ―― 音によるDXが実現しているのです ”

鹿児島県瀬戸内町 議会事務局 局長 長順一氏

お客様プロフィール

◎導入事業者
鹿児島県大島郡 瀬戸内町役場
業種:地方自治体
https://www.town.setouchi.lg.jp/


◎納入事業者
株式会社南日本情報処理センター
https://www.kk-mic.jp/


◎導入場所

導入場所:瀬戸内町役場 委員会室
導入時期:2022年8月
 

課題

町役場の会議室で開かれる委員会では、参加者のために音響装置を設置していましたが、マイクは有線のハンディタイプでした。発言のたびに受け渡しが必要になり、準備にも時間がかかります。感染症対策の観点でも、各席に設置する非接触型のマイクが望ましいと考えられていました。また、ほかの会議室や施設でも音響設備を使いたいという要望があり、容易に移動して簡単に設置できるタイプの会議システムが求められていました。

ソリューション

ワイヤレス型の会議システム Microflex Complete Wireless (以下 MXCW)を導入し、各席に設置して利用できるようにしました。ワイヤレスかつスピーカーとマイクが一体型になっているため煩雑な配線作業などは不要で、利用者は本体のボタンを押すだけで簡単に発言できます。充電しておいたバッテリーを本体に装着するだけで使用可能になるため、あとは机に並べれば準備完了です。アクセスポイントトランシーバーや充電器をセットにした専用のワゴンを用意して、手軽に持ち運びできるようにしました。

効果

委員会では機器に不慣れな町会議員や役場職員も簡単に利用でき、マイクを受け渡しする時間が削減され、限られた時間で議論しやすくなった点が高く評価されています。クリアな音声で会議の内容を記録できるため、事務局スタッフは議事録をまとめやすくなりました。ワゴンで持ち運びが容易なため、隣接施設の広い部屋を会議に利用するシーンが増え、他部署でも積極的に活用されています。

【スペシャルインタビュー】

自然豊かな奄美の瀬戸内町、役場DXを積極的に推進

瀬戸内町は、鹿児島県 奄美大島の最南端部と大島海峡を挟んだ加計呂麻島・請島・与路島の有人3島からなり、総面積約240平方キロメートルにおよぶ行政区域を有する町です。300~400メートルほどの山岳地が連なり、海岸へ向かう急斜面の多い沿岸に56の集落が点在しています。海岸線は典型的なリアス式海岸で、水深の深い入江は水産業や避難港としても活用されています。

 観光資源が非常に多くハイシーズンともなれば、ハイビスカス・ソテツ・ガジュマルなど亜熱帯海洋性気候の特徴的な自然、マグロ・エビ・たんかん・マンゴー・黒糖といった豊富な海産物や農産物を用いたグルメ、ダイビング・サーフィン・釣りなどのマリンスポーツを楽しむ環境客で賑わいます。クロマグロ(本マグロ)の養殖でも知られ、国内でも有数の生産量を誇ります。

 瀬戸内町役場では、令和元年に「瀬戸内町長期振興計画」を掲げて、さまざまな取り組みを行ってきました。最近では、町民サービスや教育、行政運営のデジタル化による持続性の高いまちづくりを目指すなど、役場全体のDXを積極的に進めています。瀬戸内町議会の事務局でも、最新の技術を用いた議会運営の改善・課題解決を試みています。その1つが「音響設備」です。

 瀬戸内町議会は10名の議員で構成され、各会議の運営を議会事務局のスタッフが担っています。議会では、定例会・臨時会といった本会議のほか、各案件・テーマの細かな調査や審議を行うための会議が開かれます。本会議は役場に設置された大きな会議場で開催されますが、各種委員会は一般的な会議室を用い、場合によっては小さな部屋で行われることもあります。委員会も議員や事務局職員のほか担当部署の責任者など、相応の人数が参加することになります。

 「従来は比較的大きな会議でも有線マイク2本とワイヤレスマイク2本を参加者が使い回しており、特にコロナ禍では衛生面が問題視されていました。マイクの受け渡しに時間がかかり、円滑な議論がしにくい点も課題でした。狭い会議室は話しやすくとも感染症が懸念されます。しかし広い部屋では、声が聞き取りにくくなってしまいます。既存の音響設備が使いにくく、準備に時間がかかる点も事務局にとっての負担でした」と、瀬戸内町 議会事務局 局長を務める長順一氏は振り返ります。

鹿児島県 瀬戸内町 議会事務局 局長 長順一氏

 本会議場には各議員席にマイクが設置されており、議長や質疑回答者向けのマイクも用意されています。これと同様に、各委員会でも参加者席にマイクを設置する形式が望ましいと考えられました。とはいえ、さまざまな場所で会議が開かれますから、部屋を選ばない設備や持ち運びできる機材が必要です。そこで瀬戸内町は、Shureのワイヤレス会議システム「MXCW」に注目したのです。


持ち運びが容易で配線いらず、音声も高品質な会議システム

 MXCW640は、マイクとスピーカーが一体化された小型の会議ユニットです。バッテリーで稼働してワイヤレスでアクセスポイントトランシーバー「MXCWAPT」と接続するため、テーブルに置くだけで音響ケーブルや電源ケーブルを配線する必要がありません。参加者は席についたまま話すことができ、小さな声でも手元のスピーカーから明瞭な音で伝わります。バッテリーは11時間保つため、1日1回の充電で複数の会議に対応できます。

バッテリーを入れるだけで会議がスタート、複雑な準備・設定が不要

 ユニットもアクセスポイントも小型で、バッテリー充電器を含めてもそれほど大きなサイズにはなりません。長氏は、役場内の複数の会議室を行き来するほか、広い会議室が設置された隣接のきゅら島交流館に持ち運びできると考えました。

 また選定のポイントとなったのが音声品質です。もともと瀬戸内町では本会議場にShureの設置型マイクを導入しており、その音声品質を高く評価していました。

 「事務局では、本会議や委員会での音声を記録し、議事録としてまとめる業務があります。これまでもICレコーダーの内蔵マイクを用いて録音していましたが、音声が聞き取りにくいのが難点でした。外部事業者へ文字起こしを委託するものの不確かな部分が多く、職員が再確認して修正するという作業が負担になっていました。Shure製品によって明瞭な音声を記録できるようになることで、議事録作成をスピーディに完了できるという期待がありました」(長氏)
 

議論の活性化や業務の効率化、音によるDXを実践

可搬式ワゴンに収納された、MXCW会議システム


 瀬戸内町は、南日本情報処理センターのサポートを受けながら20台のMXCW640と充電ステーションMXCWNCS、アクセスポイントMXCWAPTを導入しました。専用のワゴンにMXCWAPTを自立式の金具で固定し、すべてのデバイスを安全に持ち運んで、すぐに利用できるようなセットにした点がポイントです。

 「役場の課長・局長会議、農業委員会や教育委員会、各課の会議など、導入から半年強で50回は活用しています。手軽に利用でき、広い会議室で席が離れていても声が聞こえやすい点が好評です。ボタンを押せば発言できますし、同時に3名が会話できるので、議論が迅速化・活発化してきたように思います。簡単に使えるため教育コストがかからないという点も、事務局にとっては大きなメリットです」(長氏)

 

 
 音声レコーダーをシステムに直接つなぐことができるため、明瞭な音声を記録できるようになりました。各委員会の議事録作成に数時間はかかっていましたが、現在ではAIツールである程度の文字起こしをしたのち、職員がきれいにまとめるという作業が短時間で終わるようになりました。音声が高品質なために、AIも精度よく音声を認識できているとのことです。

 「ShureソリューションはWeb管理ツールも使いやすく、私たちでも簡単に管理することが可能です。製品も非常に扱いやすく、職員への説明会すら不要でした。選定・導入にあたっては、シュア・ジャパンがパートナーと密に連携して直接的にサポートを提供してくれた点も、当社にとって大きな助けとなりました」と、南日本情報処理センター 公共システム本部 営業 部長代理の新内彰啓氏は述べています。

株式会社南日本情報センター 新内彰啓氏


 さらに瀬戸内町は、小型ワイヤレスのため場所を選ばず設置できるというMXCWの特長を、傍聴者の多い大きな会議でくふうして活用しています。会議室後方の傍聴者席付近にMXCW640を設置し、外部スピーカーをつなげて音声を届けているのです。Shure製品にはハウリングを抑える機能も搭載されているため、議論を妨げることなく声のみを伝えることができるというわけです。よりさまざまな会議で活用したい、町内で広く使っていきたい声も上がっており、増設も前向きに検討したいとのことです。

 「瀬戸内町役場では、これまで以上にDXを推進していこうと、2023年4月に専門の組織を発足するなど取り組みを強化しています。Shureソリューションの音声品質を生かすことで、デジタル・AI技術を活用した議事録作成の業務改革が進みました。職員の作業負担も外部委託のコスト負担も軽減できる取り組みです。音響設備によって自治体運営を変えることができる“音から始まるDX”を実感しています」(長氏)

鹿児島県 瀬戸内町 議会事務局 局長 長順一氏、株式会社南日本情報センター 公共システム本部 営業 部長代理 新内彰啓氏
※撮影時のみマスクを外しています。

 

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導入製品

製品名 説明
MXCW640 MXCW640 20 Microflex Completeワイヤレス会議システム用ワイヤレス会議ユニット。議長、参加者、傍聴者、または会場収音用マイクロホンユニットとして設定可能。
MXCWAPT MXCWAPT 1 Microflex Complete Wireless会議システム用アクセスポイント。最大125台のMXCW640ワイヤレス会議ユニットを制御。
MXCWNCS MXCWNCS 2 MXCW640ワイヤレス会議ユニット対応SB930充電池用のネットワーク充電ステーション。