AXT Digital 1.2GHz対応モデル発表会 - 新次元の1.2GHz帯向けソリューション

Shure Japan | 2020年1月10日

スピーカー

Michael Johns(マイケル・ジョーンズ)/ Shure Incorporated Senior Product Manager

Scott Brumm(スコット・ブラム)/ Shure Incorporated  RF Development Project Engineer

澤口 宙也(さわぐち ひろや)/ シュア・ジャパン株式会社 プロオーディオ ディレクター

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「現在の、そして将来のワイヤレス運用を劇的に改善する、新たなソリューション」

 

なぜ1.2GHz対応モデルを開発するに至ったか?

日本のみならず世界共通で起きている事として、ワイヤレスマイクロホンもしくはテレビの送信周波数の使用可能帯域が狭くなっている事が挙げられます。携帯電話をはじめとした様々なデバイスのワイヤレス化は加速し、我々が自由に使用できる帯域は狭くなっていると同時に、プロダクションの多様化に伴い使用されるチャンネル数も増えています。つまりは、ワイヤレスマイクロホンを使いたい時に自由に使える時代ではなくなってきているという現状があります。日本においても、A帯からホワイトスペース帯への周波数移行により、運用調整および運用そのものが複雑化しています。そのような背景のもと、ShureのハイエンドモデルであるAXT Digitalから1.2GHz帯域対応モデルを発表することは、運用調整面でのメリットも含め大きな意味があると考えます。

帯域

AXT Digitalは、G56 (470-636MHz)、K56 (606MHz-714MHz) という2つのレンジでホワイトスペース帯をカバーしています。今回、1.2GHz帯域対応という日本だけのモデルがAXT Digitalワイヤレスのポートフォリオに加わりました。当社は米国のメーカーではありますが、日本専用のモデルを開発し、日本のお客様の選択肢の大部分を網羅できたという事は、我々Shureにとっても大変意義のある事と捉えています。

ADシリーズ送信機

AD1(ボディーパック)とAD2(ハンドヘルド)の2タイプがあり、ボディーパックのコネクターはTQG(Shure)とLEMOの2種類に対応しています。ハンドヘルドのボディーカラーはブラックとニッケルの2色をご用意しました。

*1.2GHz対応はADシリーズです。

 

 

 

1.2GHz周波数帯域の特徴

Shureシカゴ本社
本機1.2GHz帯対応モデル企画担当、
マイケル・ジョーンズ

日本向けモデル開発にあたり、様々なリサーチから、1.2GHz周波数帯に対しネガティブな印象が多いことも分かっていました。1.2GHzはホワイトスペース帯より周波数が高く波長が短くなるため、信号の伝搬距離において物理的なデメリットを含む事は否めません。Shureの開発チームはこのデメリットを補いホワイトスペース帯のAXT Digitalとほぼ同様の受信範囲と伝搬距離を確保することに成功しましたが、これまで集積したエンジニアリング力により、そこまで大きなチャレンジではありませんでした。AXT Digitalは、ULX-D®など他のShureデジタルワイヤレスシステムとは異なる変調方式を採用しています。この変調方式を1.2GHz帯でも採用することで、一般的な1.2GHz帯のイメージよりもはるかに安定した受信範囲と信号伝搬距離を実現しています。また、運用申請は必要であるものの、TVチャンネルと共有しない帯域のためTVチャンネルリストを確認する必要がなく、国内移動での使用に適しているといえるでしょう。

 

 

「ULX-D 1.2GHz帯モデルとの違い」

 

Shureシカゴ本社
RF開発エンジニア、
スコット・ブラム

開発期間、来日し多くのユーザー様との意見交換やヒアリングを重ねてきました。その中で良く聞かれる質問の1つが、既に発売されているULX-D 1.2GHzモデルと何が違うのか、という点でした。

ダイバーシティー方式

ULX-D は、受信状態の良い方のAまたはB、どちらかのアンテナを選択しながら受信するスイッチング方式なのに対し、AXT Digital はアンテナA,B(またはアンテナA,B,C,D)すべての信号を同時に受信しながら、1番受信状態の良い信号のみを取り出し、最良の音声品質を生み出すトゥルーデジタルダイバーシティーを採用しています。

変調方式

次に、冒頭の解説でマイケル・ジョーンズが触れた変調方式です。ULX-Dは一般的なPSK方式(8PSK)ですが、AXT DigitalはQAMと呼ばれる方式(16QAM)を採用しています。QAMは、PSK方式に比べ伝送可能な情報量が圧倒的に多いことが特徴です。したがって、音声品質という観点で見ても、音声信号のクオリティーに関してより多くのデータを電波に詰め込み伝送できるという事になります。

送信出力

送信出力も異なります。ULX-Dの最大出力は20mW ですが、AXT Digital 1.2GHz対応モデルは最大30mWのため、より長い伝搬距離に対応可能です。

Quadversity™(クアッドバーシティー) ※4ch受信機AD4Qに対応

AXT Digitalにしかない特徴としてもう1つ、Quadversity (クアッドバーシティー)という機能があります。通常のダイバーシティーがアンテナA,Bの2本を切り替えて運用するのに対し、Quadversity はアンテナA,B,C,D 4本を1つのチャンネルに割り当て運用します。カバーエリアが広がるとともにRFも安定するため、センターに花道があるような複雑な形状をしたステージに適しているほか、離れたステージのゾーニングも可能になります。

メインステージから花道~迫り出しステージ
までカバーするアンテナポジションの一例

 

 

 

 

 

 

 

スタジオ内と外ロビーまでカバーする
アンテナポジションの一例

 

 

 

 

 

Dante™ Cue / Dante™ Browse

その他、多くの機能が備わっていることもAXT Digitalの特徴ですが、例えばDante Cue, Dante Browseなどの機能で操作性も向上しています。Danteの機能を利用することで複数台の受信機をカスケード接続し、1つのヘッドホン端子から複数の受信チャンネルのモニタリングが可能です。ヘッドホン端子の抜き差しなくCueボタンの切り替えのみで各チャンネルのモニタリングができるため、現場での即時対応にも威力を発揮することでしょう。

4ch受信機 AD4Q背面パネル

4つのイーサネットポート

イーサネットポートに関しても、ULX-Dをはじめ他のデジタルワイヤレスの受信機は1~2つのポートを備えているのが一般的な仕様ですが、AXT Digitalの受信機は4つのポートを備えており、ネットワーク機器の相互接続でバラエティに富んだ使い方ができます。

DC電源モジュール対応

AXT Digital受信機はDC電源モジュールにも対応しています。ラックマウント型ですので基本的にはAC電源ケーブルを使用しますが、ロケ車などDC電源しかない環境では、受信機のDC電源INから給電できるモデルも揃えています。そのため、また違った環境での使用が見込め、用途の幅が広がります。

視認性の高いディスプレイ

最後に、受信機のディスプレイには視認性が高いハイレゾTFTを採用しています。正面からだけでなく側面や上部からディスプレイを覗き込んだ際でも文字が大変見やすく、現場に直結したアドバンテージの1つです。

AXT Digital 2ch受信機 AD4D と 4ch受信機 AD4Qのディスプレイディスプレイを斜め上部から見た画面の様子。正面からでなくとも、ディスプレイの文字の視認性が飛躍的に向上している。
弊社既存機種の受信機のディスプレイを、同様に斜め上部から見た画面の様子。正面からディスプレイを覗き込まないと、文字の確認が難しい。

 

「さいごに」

シュア・ジャパン㈱
プロオーディオ ディレクター
澤口 宙也

新製品発表会の最後に、本製品を担当したマイケル・ジョーンズよりお集まりいただいた皆様に心よりお礼を述べました。RFエンジニアであるスコット・ブラムも、お客様からのご質問にすべて対応すべく初来日しました。1.2GHz帯日本専用モデルの製品開発は、日本のお客様のニーズにお応えしたいというShureの想いが込められています。ULX-D 1.2GHzモデルの品質をさらに超える、Shure最高峰ワイヤレスシステムAXT Digital- ADシリーズに1.2GHz帯対応モデルが加わりました。プロ音響ユーザー様向けの新たな選択肢として、新次元でのワイヤレスオーディオクオリティーをご体験いただけるはずです。

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AXT Digital 1.2GHz対応製品の販売に関する詳細は、Shure正規代理店ヒビノインターサウンド株式会社までお問い合わせください。

 

【AXT Digital カタログはこちら】

https://p.shure.com/axt-digital-1-2-ghz

 

【AXT Digital デモンストレーション動画】

AXT Digital のRF安定性や充実の機能を広大な競技場で検証

https://youtu.be/2f0MIdgEoMs

 

【AXT Digital 1.2GHz帯モデルがわかる】

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■お問い合わせ先

シュア・ジャパン株式会社(担当:根本)  pr@shure.co.jp

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ヒビノインターサウンド株式会社   info@hibino-intersound.co.jp

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