顧客プロフィール
音響機器レンタル会社のATK Audiotek社（カリフォルニア州ノースハリウッド）と、ワイヤレス・システム・デザイナー／コーディネーターであるSoundtronics社（ネバダ州ラスベガス）のスティーブ・ヴォーン（Steve Vaughn）氏は、Dick Clark Productions社の主要取引先です。
課題
厳しいRF環境で知られるラスベガスMGMグランド・ガーデン・アリーナからのACMアワード授賞式の生中継で完璧なワイヤレスパフォーマンスを提供すること
ソリューション
標準RFプラットフォームとして、24チャンネルのAXT Digitalマイクロホンと22チャンネルのPSM 1000パーソナルモニターでShureワイヤレスを増強
効果
ワイヤレスチャンネル密度の向上により干渉ゼロのRFが確保されたことに加え、Wireless WorkbenchソフトウェアによりShureの全チャンネルのリモート・システム・モニタリングが実現
導入事例詳細
音楽賞授賞式の大きな課題の1つは、各パフォーマーが安心して演奏に集中できるようにそれぞれツアーで使い慣れたワイヤレスマイクロホンを使用しながら、3時間に及ぶ放送を通じて完璧な音響を提供することです。3時間の生中継の間、ライブパフォーマンスが終始繰り広げられる中で、ブランドやモデルが混在した数百チャンネルの周波数コーディネーションを行うことは、音響技術スタッフにとって大きなチャレンジです。
2018年のACMアワード授賞式は、ラスベガスの中でも特に電波状況が厳しい会場の1つとして知られるラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されました。技術チームはこの状況に対処するため、標準のワイヤレスマイクロホンシステムとして24チャンネルのAXT Digitalと、すべてのパーソナルモニターミックスの伝送システムとして22チャンネルのPSM 1000という、2つの重要な役目にShure製品を採用しました。
比較的新しいAXT Digitalを採用したことは、次第に混雑が進むUHF帯により多くの同時使用RFチャンネルを収めることができる機能をはじめ、システムの技術的卓越性に対する「信任投票」でした。さらに、いずれも業界標準のShure Wireless Workbenchソフトウェアに対応するPSM 1000やUHF-R、AXTなどの他のShureワイヤレスシステムとの互換性も、周波数コーディネーションとイベント中のシステムパフォーマンスの追跡という点で大きな利点となりました。
このイベントでRFコーディネーターを務めたSoundtronics社のスティーブ・ヴォーン（Steve Vaughn）氏は結果に大いに満足し、次のように語っています。「最近のワイヤレス状況を考えると、AXT Digitalは欠かせないツールです。おかげで、アナログ・ワイヤレス・システムと併用する厳しいRF環境の中で、たくさんのシステムを使用することができました。また、ラップトップを使って、Shure Wireless Workbenchソフトウェアに接続されたユニットをモニターし、臨機応変に変更を行うこともできました。全体として、AXT Digitalは厳しいRF環境でも非常に高いレベルの性能を発揮してくれました」
AXT Digitalに対する信任票はパフォーマーからも得られました。まさに自由に選び放題という状況の中で、多くのパフォーマーがこの新しいワイヤレスを選んだからです。当日の目玉として初めて企画された名曲デュエットは、AXT Digitalが往年のカントリー・ヒットを最新のワイヤレステクノロジーで観客に届ける重要な要素でした。司会のリーバ・マッキンタイアの1993年のヒット曲「Does He Love You」を再現したリーバとケリー・クラークソン、「Chattahoochee」を披露したアラン・ジャクソンとジョン・パーディ、さらには「Should’ve Been A Cowboy」を披露したトビー・クラークとブレイク・シェルトンとのデュエットと、AXT Digitalは大活躍でした。
そのほかにも、ミランダ・ランバート、キャリー・アンダーウッド、ケニー・チェズニー、デリアス・ラッカー、リトル・ビッグ・タウン、ディエクス・ベントレーなどの名立たるナッシュビルスターたちがAXT Digitalを使用しました。AXT Digitalは、最優秀新人男性歌手賞を受賞したブレット・ヤングが使用した伝統的なSM58から、最優秀女性歌手賞を受賞したミランダ・ランバートが使用した先進的なKSM8まで各種マイクロホンカプセルを用意。次々とステージに立つスターたちの歌声を忠実に再現しました。さらに、96台のP10Rダイバーシティ・ワイヤレス・ボディパック型受信機が最高のPSM 1000モニターミックスをステージ上の全員に届けました。
プロダクションミキサーを務めたJ・マーク・キング（J. Mark King）氏は、今回の音響チームとアーティストの経験を次のように総括しています。「Shureワイヤレスは、このショーをずっと最前線で支え続けました。AXT Digitalは圧倒的なサウンドクオリティーと確かなRF安定性を発揮し、まさに待ち望まれていた新製品であることが実証されました」