Shureワイヤレスが第61回グラミー賞を席巻

2019年2月14日

AXT DigitalワイヤレスシステムとPSM® 1000インイヤーモニターシステムが Music’s Biggest Night®において完璧なRF性能を実証

ロサンゼルスのステイプルズ・センターからCBSで生中継された第61回グラミー賞授賞式において、Shureワイヤレスシステムはオープニングナンバーから最後を飾った最優秀アルバム賞受賞のケイシー・マスグレイヴスまで、大多数の出演アーティストと音響チームによって選ばれました。グラミー制作チームは、すべてのアーティストに対し、一番使い慣れたマイクロホンを使用するよう勧めていました。こうした自由度が最高のパフォーマンスにつながることがわかっていたからです。AXT Digitalワイヤレスマイクロホンは当夜披露された18作品の大多数で使用され、この革新的な製品が発表から2年足らずで業界に深く浸透していることを証明しました。

2019年のグラミー賞授賞式中継は意欲的な仕事で、音響コーディネーターのマイケル・アボット(Michael Abbott)氏率いるベテランエンジニア ・ 技術者チームが巧みにこなしました。音響システムの設計・施工は主要サプライヤーであるATK Audiotek社が手がけ、今回もまたSoundtronics社のRFエキスパートであるスティーブ・ヴォーン(Steve Vaughn)氏にワイヤレスシステムの設計と周波数コーディネーションを依頼しました。放送制作ミキサーはトム・ホームズ(Tom Holmes)氏で、Music Mix Mobile社の中継車に陣取ったエリック・シリング(Eric Schilling)氏とジョン・ハリス(John Harris)氏による音楽ミックスから作業を行いました。ステイプルズ・センター内のFOHデスクでは、マイケル・スチュアート(Mikael Stewart)氏が制作ミックス、ロン・リーブス(Ron Reaves)氏が観客向けの音楽ミックスを担当しました。

注目すべきパフォーマンスは、ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤーを受賞したドリー・パートンを称えるトリビュートステージで、SM58®マイクロホンカプセルを装着したAXT Digital AD2を使用して、往年のカントリーソングをメドレーで歌いました。パートンのステージには、いずれもカスタムホワイトのAD2ハンドヘルドを使用したShureエンドースアーティストのケイシー・マスグレイヴス(BETA 58A®)、マレン・モリス(SM58)、リトル・ビッグ・タウン(BETA 87、BETA 58A、SM58)のほか、マイリー・サイラスとケイティ・ペリーも加わりました。

もう1つのハイライトは、伝説のレーベル「モータウン」にフォーカスしたステージでした。Shureエンドースアーティストのジェニファー・ロペスはKSM8を装着したAXT200カスタムモデルを使用し、AXT Digitalユーザーのスモーキー・ロビンソン、ニーヨと共に、モータウン名曲トリビュートの先陣を切りました。ダイアナ・ロスはAD2/KSM9の組み合わせで自身の感動的なメドレーを熱唱。クロイ&ハリーはAD2/BETA 58Aで偉大な故ダニー・ハサウェイに敬意を捧げました。さらに、アンドラ・デイ、ファンタジア、ヨランダ・アダムズの3人は、全員がAD2ハンドヘルドを使用して、『(You Make Me Feel Like A) Natural Woman』をソウルフルに歌い上げました。

AXT Digitalは、カントリーアーティストのダン+シェイによるヒット曲「Tequila」のパフォーマンスや、セイント・ヴィンセントと最優秀新人賞を受賞したデュア・リパによるデュエットメドレーでもボーカル・ワイヤレス・システムとして採用されました。そのほかにも、カミラ・カベロ、ポスト・マローン、ヤング・サグ、J.バルヴィン、フリーがAXT Digitalを選びました。最優秀ラップ・アルバム賞を受賞したカーディ・Bは、Shure UR1ボディーパックを使用して『Money』のエレクトリックパフォーマンスを披露しました。

今回初めてホストを務め、その開放的で歓迎的な姿勢が広く称賛されたアリシア・キーズは、ステージでの司会とパフォーマンスの両方に自身のカスタムShure UR2ハンドヘルド型送信機を選びました。2台のピアノを駆使したユニークなパフォーマンスでは、「私が作った歌だったらよかった曲」と彼女が要約した、ジャンルを超えたお気に入りの曲のメドレーを披露しました。しかも、キーズ自身がShureワイヤレスマイクロホンとPSM® 1000インイヤーモニターを使用しただけでなく、彼女が弾いたグランドピアノにもShure BETA 181コンデンサーマイクロホンがペアでマイキングされていました。

実際、BETA 181は今年のグラミー賞授賞式のステージで使用されたすべてのアコースティックピアノの収音を支えた「秘密兵器」でした。音楽ミキサーのエリック・シリング氏は、「BETA 181はミックストラックでもハウスでも頼りになるピアノ用マイクです。ローエンドもくっきりしており、私たちが求めているクリアなサウンドが得られます。本当に役に立ちます!」と述べています。

Shure製品は、そのほかにもいくつかのワイヤレスギターや数多くの楽器マイクロホンなど、目立ちにくいながら大変重要な用途でも主流を占めていました。舞台裏でステージを支えるモニター・ミックス・エンジニアを務めたマイク・パーカー(Mike Parker)氏とトム・ペサ(Tom Pesa)氏は、ステージ上のすべてのワイヤレス・インイヤー・モニター・チャンネルに業界標準のPSM 1000ワイヤレス・パーソナル・モニター・システムを採用。合計24chの送信機チャンネルを使用し、106台のP10Rボディーパック型受信機にモニターミックスを送りました。さらに、ワイヤード・インイヤー・モニターとして12台のP9HWと24台のP6HWシステムを用意していたほか、演台のマイクロホンにも2台のShure UR1ボディーパック型送信機を使用しました。

これほど多くのワイヤレスを使用しながら完璧な運用を確保するには、アンテナシステム設計と周波数コーディネーションが不可欠でした。この難しい仕事に挑んだのはSoundtronics社(カリフォルニア州バーバンク)で、スティーブ・ヴォーン氏がその監督に当たりました。

Soundtronics社のスティーブ・ヴォーン氏は、「今年も新しいShure AXT Digitalをテストする機会に恵まれ、本当に限界まで試しました。IEM、バックラインRF、その他のRFマイクロホンメーカーがひしめき合い、RF環境がほぼ飽和する中で、利用可能なすべての周波数を最大限に利用することができました。最初から最後まで周波数を共有することなくショーを終えることができたのは久しぶりのことです。Shureは、Wireless Workbench®(WWB)と新しいAXT Digitalにより、今もなお信頼性と品質が彼らの最優先事項であり、Shure製品に期待できる特長であることを証明してくれました」と述べています。

すべてのアーティストや制作チームのニーズに確実に応えるために、Shureのアーティストリレーション(AR)チームも現地入りしていました。ARマネージャーのコリー・ローレンツ(Cory Lorentz)、は、「グラミー賞は私たちにとって常に特別なイベントです。ミュージシャンやエンジニアの皆さんと会って、Shure製品が彼らの芸術的ビジョンの具現化をどう支えているのかをこの目で確かめる絶好の機会だからです。例年通りの素晴らしい制作に関わったすべての人を祝福すると同時に、その一助となれたことに感謝したいと思います」と述べています。

 

2019年2月10日にステイプルズ・センター(カリフォルニア州ロサンゼルス)で行われた第61回グラミー賞授賞式のステージで、Shure AD2/KSM9を使用して演奏するダン+シェイのダン・スマイヤーズとシェイ・ムーニー(写真提供:Kevin Mazur/Getty Images for The Recording Academy)

 

2019年2月10日にステイプルズ・センター(カリフォルニア州ロサンゼルス)で行われた第61回グラミー賞授賞式のステージで、それぞれShure AD2/SM58とShure AD2/BETA 58Aを使用してパフォーマンスを披露するドリー・パートン(左)とケイシー・マスグレイヴス(写真提供:Kevin Winter/Getty Images for The Recording Academy)